驚異のタフネス!七種競技の鉄人メグ

 TOKYOの華となれ!!1964年の東京五輪開幕から10日で50年を迎える。バレーボール女子の“東洋の魔女”が金メダルを獲得するなど、女性アスリートの活躍も戦後間もない日本を勇気づけた。6年後の2020年には東京五輪が開催される。2度目の祭典で、活躍が期待される次世代ヒロインを特集する。

 陸上界期待のニューヒロインは強く、可愛く、たくましい。七種競技の日本ジュニア記録を持つのが18歳のヘンプヒル恵(京都文教高)だ。1つの大会で、七種に加え、得意にしている100メートル障害、400メートルリレー、1600メートルリレーをもこなす。驚異のタフネスぶりを見せつける“鉄人系女子”だ。

 表彰式では、「よっしゃ、いくで!!」と周りに声をかけて、変顔とひょうきんなポーズで笑わせる。自称「おっさん」という18歳は、巧みな京都弁でこう話す。

 「自分はほかの人よりもしんどいことをして、なんぼ。“しんどい時こそヘンプヒル”って言い聞かせています」

 高校の教員を務める米国人の父スコットさんと、母千恵さんとの間に生まれた。スコットさんは92年に留学のため来日。千恵さんと出会い、交際が始まった。94年には中学の英語教師になった。

 そして95年1月…。阪神・淡路大震災が起こった。「僕が守らないといけないという気持ちもあった」と決意を固め、千恵さんと結婚。翌年、恵が生まれた。

 両親とも本格的なスポーツの経験はない。ただ、生まれてきた娘は、とにかく元気で活発だった。名前は「恵」と書いて「めぐ」と読む。パスポートの表記は「MEGU」ではなく「MEG」。スコットさんが、英語でも親しみを持ってもらえるように、と願いを込めてつけた名だ。

 勝者には“クイーン・オブ・アスリート”の称号が与えられる七種競技。同種目で日本人が五輪に出場したのは、04年アテネ大会で28位だった中田有紀だけだ。世界との差は大きいものの「6年後は視野に入れています。いつか世界と勝負できたら」と目を輝かせる。はるかなる頂に、鉄人メグが挑む。

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