「フィギュア四大陸選手権第3日」(11日、コロラドスプリングス)
女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の浅田真央(21)=中京大=は、188・62点で逆転負けで2季ぶりの優勝を逃した。前日のSPに続いてトリプルアクセルに挑戦、惜しくも回転不足の判定だったが、挑戦したことが大きな収穫となった。SP2位のアシュリー・ワグナー(米国)が優勝。SP3位の村上佳菜子(17)=中京大中京=は、4位となった。
確信があった。自らを抱きしめるような「愛の夢」のフィニッシュポーズ。真央の表情には自然と笑みが浮かんでいた。前日のSPに続き挑んだ冒頭のトリプルアクセルを、何とか片足で着氷。昨年の四大陸選手権フリー以来、1年ぶりの成功と思った。
しかし、無情にも軽度の回転不足とジャッジされた。得点が出た時、ワグナーに逆転を許したことよりも、アクセルの判定が気になった。ジッと表示を見つめながら「やっぱり回転不足か」と、ちょっぴり残念そうにつぶやいた。
それでも試合後、真央は明るかった。「(回転不足は)残念ですけど、自分の中で挑戦して跳べたのはすごいプラス」。昨年11月のNHK杯SPで失敗して以降、佐藤信夫コーチとの話し合いで回避を続けてきたが、最愛の母匡子さんの死を乗り越えて優勝した全日本選手権後は、大技の復活に力を注いできた。
今年に入り、重点的にアクセルの精度を磨いた結果、今大会では練習から高確率で成功。佐藤コーチから解禁のお墨付きを得て、SP、フリーとも取り入れた。成功まで紙一重の内容に、佐藤コーチも「わずかなところがいろいろ大変。ただ、全体的な流れはいいところまで来ている」と、頷(うなず)いた。
“伝家の宝刀”の完全復活は3月の世界選手権(3月26日開幕、フランス・ニース)へ持ち越しとなった。ただ、自信はある。「今回、(3回転半を)しっかり回って跳べた。すごい自信になった。世界選手権の目標はSPとフリーでアクセルを跳ぶこと。あと、フリーでのマイナスの部分をなくすことです」。
今回、今季世界最高をマークしたワグナーや、GPファイナル優勝者のコストナーら強豪がそろうが、真央もこの日お手つきした3回転ルッツや、2回転となったサルコーなど、まだまだ得点を上積める余地もある。そして、世界を驚嘆させてきた名刀の切れ味が戻った時、2年ぶりの世界女王の座が完全に視界に入ってくる。
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