ラグビーの日本一を決める日本選手権は7日に開幕し、全国クラブ大会覇者の六甲ファイティングブル(FB)=兵庫=が大学王者・帝京大と1回戦で激突する。昨年3月に休部した社会人ラグビーの名門・ワールドからSO由良康美(33)らが加わり、戦力は大幅にアップ。仕事を持ちながらラグビーを続けている選手たちは、大一番を前に最終調整に入った。元日本代表WTBの東田哲也ヘッドコーチ(47)は「クラブ勢悲願の1勝をつかみたい」と力を込めた。
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寒風吹きつける神戸市東灘区の神戸製鋼灘浜グラウンドで、ラガーマンが入魂のタックルを繰り返す。肩口からの湯気と乱れた息が、白く立ち上っては消えていく。週に数回の貴重な練習日。1秒も無駄にはできない。大舞台を間近に控えた六甲ファイティングブルの男たちは、鬼の形相で最後の調整を続けた。
商社マン、銀行員、教師、自衛官、警察官…職業はさまざまだ。転勤先の東京から新幹線で関西まで駆けつける選手もいる。練習は土日が中心で、全員そろうことはまれ。鼻骨にひびが入り、顔を腫らして営業に出る選手もいる。「本当にラグビーが好きじゃないと、ここまでできない」。東田ヘッドコーチは仲間の熱意に敬意を表した。
今季は休部したワールドのラグビー部から12人の社員選手が加わった。チーム名の「ファイティングブル」も継承。1月24日のクラブ大会決勝(対駒場WMM)はOBを含め8人のワールド戦士が出場し、38-15で快勝。覇権奪回への原動力となった。
ワールド時代から司令塔を務める由良は「初めての試合が土のグラウンド。環境に驚いたが、全員が真剣に取り組んでいるので、僕らも本気でプレーしている」と話す。トップリーグを知る“新入り”の実力と、“古参”メンバーの意地がぶつかり合い、チーム力は底上げされた。
04年に日本選手権でクラブ出場枠ができてからクラブ勢は未勝利のままだ。今回も下馬評では、帝京大が圧倒的有利。それでも、東田HCは「仕事を持つ社会人のプライドをぶつけて歴史を変えたい」と意気込んだ。
ワールド広報部に所属する元7人制日本代表の内山は「ちりぢりになった(ラグビー部の)仲間の分まで」と思いを明かした。『金星』への気負いはなく、ただ、力を出し切りたい。失うもののない“手弁当軍団”がいよいよ夢のステージに立つ。














