ついに“角界大麻汚染”で初めて日本人力士の逮捕者が出た。神奈川県警は30日、大麻取締法違反(共同所持)の現行犯で大相撲尾車部屋の十両力士、若麒麟真一(本名・鈴川真一)容疑者(25)=東京都江東区清澄=を逮捕した。取り調べに対し、若麒麟容疑者は容疑を認めた。昨年のロシア人力士の逮捕や解雇を受け、再出発を図っているさなかの不祥事再発。日本人にまで薬物汚染が広まっていた影響は深刻で、角界はかつてない危機に直面した。
◇ ◇
若麒麟容疑者は30日午後1時ごろ、友人でミュージシャンの平野力(つとむ)容疑者(30)=東京都渋谷区=とともに、東京都港区六本木のCD販売店事務所で現行犯逮捕された。2人は、神奈川県警が別の薬物事件の捜査で同事務所を家宅捜索した際、乾燥大麻約16グラムを所持していた疑いで逮捕された。相撲界をめぐる大麻汚染問題で、日本人力士が逮捕されたのは初めてのケースだ。
県警によると、捜索の際、若麒麟容疑者は応接間でソファに座っており、テーブルの上にティッシュに包んだ大麻を置いていたが、テーブルの下に投げて隠そうとしたという。平野容疑者は別室にいた。
若麒麟容疑者は、県警中原警察署に身柄を拘束されて取り調べ中。調べに対し、「自分で吸うために持っていた。葉巻に混ぜて吸っていた」などと容疑を認めている。県警は入手ルートや詳しい動機について事情を聴いている。この日午後10時58分には、東京・江東区の尾車部屋に、県警の家宅捜査が入った。
日本相撲協会は2月2日に開く定例理事会で若麒麟の処分を協議。昨年8月には元幕内若ノ鵬が同様の容疑で解雇処分を受けており、解雇は確実とみられる。
昨年9月に協会が独自に行った抜き打ちの薬物尿検査で、若麒麟容疑者の反応には異変があった。簡易キットを用いて検査が行われたが、1回目の検査で陰性の場合に表示されるラインが見づらかった。2回簡易検査が追加され、最終的に陰性と判断。警視庁にも「シロ」と伝えられた。
若麒麟容疑者は兵庫県川西市出身。99年春場所で初土俵、04年秋場所で十両に昇進した。つっぱりが得意で、気っぷのいい攻撃的な相撲が持ち味だった。土俵外でも人当たりのいい性格で、巡業地での取材や来客にも気さくに応じていた。
昨年の大麻騒動の際には、疑いをかけられた力士が全員外国人だった。しかし、今回は日本人の逮捕。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「外国人、日本人は関係ない」としているが、大麻問題で初の日本人逮捕という影響は大きい。
日本相撲協会は公益法人認定を目指し、「公益法人制度改革対策委員会」を今年度に発足させたばかり。不祥事の連鎖が止まらず、申請を出せるかどうかも不透明になった。若麒麟容疑者の解雇、除名だけで、問題は沈静化しそうにない。






