アブラボウズ
【出漁ルポ・岩見忠弘】
水深1000メートルの“超深海”を狙うベニアコウ・アブラボウズ釣り、神秘的な漆黒の深淵(しんえん)に潜む大物を狙い、本紙指定船宿の葉山の愛正丸から出船した。葉山「愛正丸」(デイリー指定船宿)
船宿記録を更新出船は6時半。毎日出船の乗合船ではなく、深海好きな仲間の「釣りたい!」という“声”が高まったときだけの“プレミアム出船”だ。
竿やリールはオモリ500号に耐える深海用。仕掛けは胴突き10本バリ前後で、ミキイト40号、ハリス24~30号、枝間3メートル前後。エサはイカやカツオのハラモなどの切り身。
釣り場は沖の瀬。佐伯鶴三船長の合図でミヨシから順番に投入する。釣り人は6人、全員が右舷に並んでいる。
「ものスゴい崖だ!岩盤がノコギリのようになっているよ!」
深海対応の魚探で海底地形を探っていた鶴三船長が絶句した。
大物はそのどこかに潜んでいる。
オモリが着底したらイトフケを取り、船の揺れでオモリが底をたたくようにミチイトを張る。水深が変化したら、それに合わせてタナを取り直す。
「来た!」
大ドモから2人目のさいたま市の野口さんにアタリだ!
「お~!10メートルくらい持っていかれたぞ!」 竿が立て続けにガンガン曲がる。
「軽くなった?」
だが、強烈な引きは収まらない。オモリが切れたようだ。
3人がかりで超お宝ゲット船長の上げ縄の合図で全員が巻き上げ開始。上がるまで約30分。
野口さんがリングをつかんだ。ミキイトを手繰る。見えた!
「デカい!アブラボウズだ!」
水面でひと暴れ!
船長と胴の間の三輪さんがギャフを打ち、持ち上げようとしたが上がらない。
ミヨシの友井さんが係船ロープをエラから口に通し、3人がかりでやっと取り込んだ!
アブラボウズ170センチ!90・5キロ!
この日はベニアコウは釣れなかったが、この超大物で一発勝利!の凱旋帰港となった。
☆ネット情報葉山港 愛正丸http://www.gyo.ne.jp/aisho/
佐伯鶴三船長の話「水深1000メートルを狙う超深海釣りは、毎回ホントに何が釣れるかわかりません。これまでのベニアコウの大物は9.1キロ!これもとんでもないサイズです。今回も90.5キロでアブラボウズの船宿レコード更新!これからも未知の大物を狙って頑張っていきます」