天然ヘラ釣り

 【Myリポート・鈴木健之 森田昌宏】 群馬県富岡市  大塩湖

 まず1匹から

 関東平野部のヘラブナの乗っ込みは終盤に入ったが、北の山上、準山上湖はまだ序盤。群馬県富岡市の丘陵にある大塩湖(おおしおこ)。昭和43年、日本名水百選のひとつ雄川を源泉にしたダム湖。透明度は県内でも群を抜いている。

 5月中旬現在、ほぼ満水。湖岸を一周してみると、各ワンドの岸寄りで、単発的だがハタキ(産卵)が見られ、モジリもある。午前6時過ぎエン堤脇(雷電神社側)のワンドに入る。貸舟もあるがダム湖には珍しく陸(おか)釣りのポイントが多い。

 竿17尺、道糸1号、ハリス0・5号。長竿で細めの仕掛けは水質良で、魚の警戒心が高いためだ。釣り台を横向きにセットし、岸から約3メートルの水面、タチ2メートル弱の駆け上がりを狙う。エサは「グルテン四季」+「いもグル」。バラケは「底バラ」+「バラケマッハ」。

 初投からポイント暗示の底藻(も)がハリ掛かりし、期待で胸がふくらむ。場所によって1匹の価値が違うのがヘラブナ釣り。大塩湖は放流もあるが地ベラ、つまり天然モノが売り。放流量の多い所では50匹、100匹が当たり前になるが、ここではまず1匹から。難易度の高さが逆に魅力になっている。

 開始4時間が過ぎたがヘラの音信はない。もともと、人気ポイントではない。選んだのは1発長打の魅力。それも次第に怪しくなり、オデコの3文字が頭に浮かび始める。しかし、妙な形で“釣運”がやってくる。ジャミ(小魚)対策で仕掛けをドボンに替えたが、振り込み間違いでウキが外(沖目)に。ウキの沈没でタチを測ると、なんと4メートル近い。そこで仕掛けをバランスの底に。エサも持ちの良いものに作り変える。

 11時前、竿を引いて誘いをかけると、スパッ!と消し込む。数分後、今度はムクッと食い上げ。一気に両目が開く。型は35センチ前後と湖では中型だが、引きの良さは一級。乗っ込み組はお休み、待機組がドン深に潜んでいたということらしい。

 だが連釣の期待も、この2匹で終わる。納竿の15時寸前に大きなドスン!がきたが一触でハリス切れ。帰路、他を見て回ったが全体に低調だった様子。この時期の当たり外れは仕方がない。ポイントは随所にあるワンド。湖は公園化されており、駐車スペースも十分。お隣は「群馬サファリパーク」、市内には世界文化遺産登録の製糸場もあって、家族連れにも向いている。

 

 〈ガイド〉入漁料=1000円(湖入口に券売機あり)▽交通=上信越道富岡ICから車で約15分▽問い合わせ=管理所TEL0274・64・0446

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