侍ジャパン 次のキューバ戦が試金石

中国に勝利し、ナインと喜ぶ糸井嘉男(左から4人目)と中田翔(左から5人目)=ヤフオクドーム(撮影・西岡 正)
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 「WBC1次ラウンドA組、日本5‐2中国」(3日・ヤフオク)

 お立ち台に立った山本監督は、第一声で「今日は投手陣が頑張ってくれました」と声を張り上げた。侍ジャパンが中国に快勝し、2次ラウンド進出に大きく前進した。立役者は投手陣だ。

 先発の前田が5回を1安打無失点と、安定感抜群の投球を見せた。球数制限(65球)がある中で、56球で5回を投げ終えた。前田は「球数が限られた中で、5回を投げられてよかった」。打線は四回までわずか1得点だったが、まったく不安を感じさせない投球だった。

 2月中旬の合宿で右肩の張りを訴えた。「いろいろと心配をかけてしまいました。何とか払しょくしたかった」。万全であることを結果で示し、「(右肩は)もう大丈夫です」と完全復活を宣言した。

 2番手の内海は2回を投げ1人の走者も許さなかった。そして八回から登板した沢村は、三者連続三振。九回にマウンドに上がった山口は2安打に自らの暴投も絡んで2点を失ったのは誤算だったが、八回までは相手を寄せ付けなかった。

 中国打線との力の差はもちろんある。それでも首脳陣を安心させたのは間違いないだろう。2日の開幕・ブラジル戦は、田中、杉内、摂津の3投手が失点している。それを考えれば、何として結果がほしかっただろうし、その結果が出たことで気持ちは少し楽になるはずだ。

 一方で打線は、まだまだ目覚めたようには見えない。ただ4点を奪った五回の攻撃に、侍ジャパンの本来の姿が見えた。

 無死一塁で、山本監督は1番の坂本に犠打を命じた。坂本がこれをしっかりと決めてチャンス拡大。そこから内川の右前適時打、糸井の走者一掃中越え三塁打とつながった。

 もともと破壊力抜群の打線ではない。まず投手陣が抑え、つないで得点を重ねるのが、侍ジャパンが目指す野球だ。中国相手にではあるが、それが形になった。あとは強豪相手にも同じ野球ができるかどうかだ。

 ブラジルには苦戦し、中国には力の差を見せた侍ジャパン。次は6日、キューバと戦う。侍ジャパンの力を量る試合になるだろう。

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