マエケン存在感示す5回無失点

中国打線を相手に力投する先発の前田(撮影・西岡 正)
2枚

 「WBC1次ラウンドA組、日本‐中国」(3日・ヤフオク)

 やはり格が違う。中国戦に先発した前田が、5回を投げて1安打無失点と、上々の投球を見せた。「0点に抑えられてよかった。不安は払しょくできたのではないかと思う。」。調整が遅れていた侍ジャパンのエース格が好投したことは、チームにとって明るい材料と言えるだろう。

 一、二回は危なげなく3人で打ち取った。三回は1死から四球を出したが、後続を空振り三振、投ゴロに仕留めた。四回1死から中堅左への二塁打を浴びたが、ここも冷静に無失点で切り抜けた。五回は三者凡退できっちり締めた。

 直球、スライダーにはキレがあった。制球に関しては多少の甘さがあり、本人も「何球か抜けた球があったので、そこは次までに修正したい」と反省を口にした。それでも点を取られる雰囲気は全くなかった。それほど安定感があった。

 昨季は防御率1・53という驚異的な数字で、セ・リーグ最優秀防御率投手となった。今回のWBCでは、山本監督が昨年の時点で代表入りを示唆するなど、田中とともに侍ジャパンのエース格として期待された。

 しかし2月15日から始まった代表合宿初日から右肩の張りを訴え、調整は遅れた。先発した2月24日の壮行試合・豪州戦では、三回に連続四球から3ランを浴び、3回3失点だった。調整遅れを心配する声もあった。

 前日2日、前田は「しっかり仕上げたので問題はない」と話していた。その言葉通りの投球で、不安を吹き飛ばした。

 相手が格下の中国だということを考えれば、多少は割り引いて考える必要があるかもしれない。だが2日の開幕戦は、これも実力的には下と思われていたブラジル相手に、田中、杉内、摂津という“沢村賞投手”が失点している。相手も国の代表。決して“楽勝”の相手ではない。

 だからこそ前田が無失点だったことは、この後の戦いを考えても大きな価値がある。その存在感を増す快投だった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スコア速報

主要ニュース

ランキング(野球)

話題の写真ランキング

写真

デイリーおすすめアイテム

リアルタイムランキング

注目トピックス