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逆転4連勝!伊良部も無傷4勝目

阪神6−3ヤクルト

5月3日・甲子園
 
 GWで賑わう全国各地の行楽地。しかし、一番楽しく、そしてエキサイトできるのは、間違いなく甲子園だろう。強い星野阪神が、また強い勝ち方で4連勝だ。投げれば負けない伊良部秀輝投手(33)の“不敗神話”も継続され、土曜日は負けなしの6連勝。日曜もこの調子でいったれ―。
ヤクルト
阪 神
×
勝:伊良部4勝 S:安藤1勝1S
本塁打:−
伊良部は無傷の4勝目を挙げた

 夕日が差し込む甲子園。勝利の余韻に浸る虎ファンの波が、阪神甲子園駅へ向かって流れていた。その群衆の中にヒーローはいた。

 シャワーを浴びて私服に着替え、黒のリュックサックを肩に引っ掛け、関係者出入り口から伊良部が現れた。待機していたタクシーまで約30メートル。心配する警備員に「大丈夫ですよ」と言って歩き始めた―。

四回勝ち越しタイムリーを放った今岡が今季初のお立ち台に

 MAX149キロ。公式戦最速を計時した直球を軸に、序盤は押しまくった。四回、連打などでピンチを招き、真中の犠飛で先制点は許したが、動じる気配すらない。後半は変化球主体の投球に切り替え、ヤクルト打線の反撃をかわした。

 五回、稲葉に対して1球ストライクを投げ込んだ後、右足の中指、薬指がつった。「暑い日に汗をかくと脱水症状からよくなる」と佐藤投手コーチ。マウンド上で約5分、猿木チーフトレーナーが指のストレッチを施し、再び投げ始めた。

 稲葉を中飛、宮本には中前打されたがベッツ、ラミレスから連続三振。スキを与えない。6回で97球を投げ6安打1失点。リリーフ陣がリードを守り切り、伊良部は負け知らずの4勝目をつかみ取った。

1回1/3をピシャリ!プロ初セーブを挙げた安藤が星野監督に迎えられる

 伝説は着実に築かれつつある。負けない。伊良部が投げた6試合は5勝1分け。しかも土曜日は開幕カードから6連勝だ。強烈な勝利のジンクス「伊良部」プラス「土曜日」。勝ち運十分、負けるわけがない。

 試合前、島野ヘッドは「この3連戦のアタマを取らなあかんのや。とにかく普通にいかんとな」と言った。巨人を2年ぶり3タテで下した直後。2勝1分けに終わった前回の巨人戦(4月11〜13日)の後のヤクルト戦では2連敗している。同じ失敗はしたくなかった。

 9連戦の初戦。「(先発が)ゲームをつくってくれたのは大きい」と佐藤コーチ。伊良部は「最後までいきたかったんですけどね。自分としてはまだいけると思っていた」と振り返った。

 オープン戦で150キロジャストを計時した。あと1キロ―。「もうじきでしょうね」。その手応えに笑みを浮かべて、伊良部は人波にのまれていった。(岩田卓士)


 激闘ダイジェスト
 4回表  鈴木が右前打。暴投後に古田の中前打で無死1、3塁。真中の右犠飛で先制を許す
 4回裏  桧山四球、アリアスが投手内野安打。矢野四球で無死満塁とし、藤本が同点の左犠飛。伊良部の犠打で1死2、3塁から今岡が右翼2点適時打
 5回裏  中越え2塁打の浜中が桧山の内野ゴロで3進。アリアスの中前打で4−1に
 6回裏  2死から赤星が四球。金本が遊撃内野安打でつなぎ、浜中の右前適時打で5点目
 8回表  ラミレスが中前打、鈴木が右翼線2塁打。捕逸も絡んで2点を奪われる
 8回裏  関本が2ゴロ失策で出塁。今岡の犠打で2進し、赤星が左翼線にタイムリー。試合を決定づけた

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