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8日ぶりの首位

巨人3−7阪神

4月13日・東京ドーム
 
 どやっ!胸のすく激勝。阪神・星野仙一監督(56)の「勝ちたいんや!」がナインのプレーに乗り移った。全チームと対戦し終え9勝4敗1分で単独首位。開幕前、巨人・原監督は阪神を「怖い」と言った。星野監督はなめられたと感じた。悪夢の引き分け後、連勝。どやっ、ホンマに怖いやろう!
阪 神
巨 人
勝:吉野1勝 S:ウィリアムス3S
本塁打:アリアス6号
星野監督(左)はタッチでナインを迎えた

  バスに乗り込み、いつもの座席にどっかり座った。左側最前列。背もたれに体を預け、足をゆったりと開いた。しばらくフロントガラスを見つめた。伝統の一戦の疲労感が、星野監督の全身に漂う。疲れた。一通りの対戦、15戦を終えて9勝5敗1分け。首位。心地悪くはない。

 宿敵への意地だった。同点で迎えた八回二死三塁、闘将に迷いはなかった。「代打・矢野」。当初は長いシーズンを見据えて休養日にあてるつもりだった。だが「行けるところがあれば行かすつもりだった」と勝負時とみて、八木、広沢ではなく「試合慣れしている」矢野を打席へ送った。

粘った5回7奪三振3失点、打ってはプロ初安打の下柳

 期待に応えた。気力のヒットだった。「越えてくれ、越えてくれ」と祈りながら見つめた打球は、遊撃の頭を越えて左前に落ちた。決勝の適時打となった。

 ちょうど1年前のこの日、矢野は激痛に顔をゆがめた。甲子園での横浜戦。本塁上のクロスプレーで左肩鎖関節を脱きゅう。戦列を離れた。正捕手の長期離脱は、チーム力に大きく響いた。今年は野口がいる。「だれかが出られなくても、次に選手がいる。チームはレベルアップしている」。矢野は実感する。

 初戦の悔しさ、いや踏ん張りがあっての2戦目、3戦目の結果。闘将はそう振り返った。11日の試合は6点差を追いつかれて、延長十二回の末に引き分け。「向こうに流れがいっていたのをドローにした」。その前向きに切り替えた気持ちを存分に爆発させた。

3戦連発と大爆発のアリアス、本塁打と打点でトップに立った

 先制されては追いつき、勝ち越されても食い下がる。九回にはアリアスの一発などでダメ押しの3点を奪って、今季最多の17安打。重量G打線を相手に打撃戦で白星をつかみ取った。

 「取られたら取り返すという部分が今年はある。だから4点ぐらいで(投手陣が)頑張ってくれればいけると思う」。今はそう信じてさい配が振るえる。

 シーズン最初の区切り、5カード15試合を終えた。「貯金があればええと思ってた。いい形で終われたよ」。一巡目最終カードで宿敵に2勝1分け。2003年、巨人にはまだ1度も負けていない。(岩田卓士)

 


 激闘ダイジェスト
 2回裏  1死からペタジーニが右翼ソロ。先制を許す
 3回表 藤本が右前打、1死後に今岡は左前打。二死となるも金本が同点の中前適時打
 3回裏   2死から二岡に右中間ソロ。再びリードを奪われる
 4回表  先頭の桧山が左中間3塁打。2死となるも下柳の中前適時打で追いつく
 4回裏 1死からペタジーニが右翼線2塁打。続く元木の左越え2塁打で2−3となる
 6回表   野口が左前打。2死2塁となって今岡が中越え2塁打。またまた食らいつく
 8回表  真田からアリアスが左前打。2死3塁から代打・矢野が左前タイムリー。はじめてリードする
 9回表  一死から浜中が右越え3塁打。桧山の右翼線2塁打で追加点。さらにアリアスがトドメの左翼2ラン

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