徳島・小林 今度こそ…約束の期間を延長し最大の目標達成へ

 【徳島・小林義弘内野手】

 ルーキーイヤーの2014年に続き、2度目の打点王に輝いた。ベストナインは2年連続での受賞だ。

 だが、小林義弘の胸のうちには「もっとやれた」という悔しさがある。

 「打点も含めて、もっと獲れたなと思いますし、ホームランも2ケタという目標がありました。打率も3割を達成できなかった。NPBにも行けなかったので『満足できた』とは言えないと思います」

 それが素直な気持ちだろう。タイトルを獲ることは、シーズン開幕前からの目標の1つだ。それを手にした喜びはもちろんあるが、最大の目標であるドラフト指名を逃してしまった。最後の最後まで続けたアピールは届かなかった。

 ドラフトを終えた夜、巨人から指名を受けた松澤裕介(香川)に祝福の電話を入れている。松澤は「ありがとう」と答えながらも、自分と同じくスーツ姿で指名を待っていた小林の心中を察し、何と言葉を掛ければいいのか分からなかった。

 駒居鉄平コーチ(元日本ハム)にも電話を掛けている。「来年は考えられないです」と告げると突然、駒居の口調が強くなった。

 「考えてみろ、じゃなくて、やれ!オレが絶対行かせてやるから!」

 “絶対”などないことは分かっている。だが、真剣にそう言ってくれることがありがたかった。

 徳島に来る前、両親と約束している。挑戦は3年間。4年目はない。しかし、父・義正も「3年目で評価してくれる球団が出て来た。大きな進歩なんだから、もう1年やってみてもいいんじゃないかな」と言う。

 打率3割も、本塁打2ケタも達成していない。守備でのアピールもできているとは言えない。まだ、やり残したことがある。

 「全部達成できたら行けるのかは分かんないですけど、おのずと近づいてくるんじゃないか、という方向に考えられたので」

 4年目でNPB入りを実現させてみせる。この秋、冬を乗り越える意志も整った。今度こそ--。

 自由参加となった木枯らしのグラウンドには、駒居コーチのノックを受け続けている姿がある。

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