高知・深江 NPBで成功するために必要なのは『運』
【高知・深江真澄外野手】
前回の取材で、香川・松澤裕介が話していた。
共に「みやざきフェニックス・リーグ」参戦中の高知・深江真澄(元オリックス)に「NPBに入ったら、何をしなくてはいけないか」と尋ねたのだそうだ。
返って来た答えは「運だよ。なるようにしかならない」だった。
日本でプレーするのは3年ぶりになる。米・独立リーグ、豪州・ウインター・リーグなどで経験を積んだ。オリックス時代の自分とは全然違っていると話す。
「気持ちの持って行き方も変わりましたし、すごくポジティブになったなと思いますね」
7月の高知入団後、駒田徳広監督(元巨人ほか)から打撃フォーム修正のアドバイスを受けた。
「こうした方が、逆方向にいいライナーが行くんじゃないかと思うんだよな」
だが、シーズン途中の修正は、そう簡単ではない。監督も「ムリにとは言わないから」と言ったが、思い切って変えてみた。
「打てなくてもいいから、監督さんが言ってることを試合から全部試そうと思って。それがハマり始めて」
愛媛の四番・ポロを抜き首位打者を獲得するまで、あとヒット4本だった。しかし、その猛追が高知の逆転3位(2位と同率)につながる原動力となっている。
フェニックス・リーグはドラフト指名のアピールだけでなく、NPBに戻るための格好のアピールの場所にもなり得る。「足が速く、守備もうまいが打力が弱い」という固定観念を関係者から捨てさせたい。
松澤が話したエピソードを伝えると、意外な答えが返って来た。
「僕も言われたんですよ。田中賢介さん(日本ハム)に。ドラフトにかかってすぐで『プロ野球で成功するためには何が必要ですか?』って聞いたら『運だね』って言われて。『どういうことですか?』って聞いたら、僕も納得できた」
時代にも、人との巡り合わせにも左右される。それが現実だ。しかし、その運をつかみに行くしかない。
いま、己の可能性に賭けて1日、1日を戦っている。チャンスはいつやって来るか分からないから-。