徳島・吉村 三度目の正直でドラフト待つ
【徳島・吉村旬平外野手】
吉村旬平が持つ身体能力について、徳島・殖栗正登トレーナーはこう語る。
「パワーがあって本塁打が打てるし、なおかつ足も速い。トップでやれる技術的なものもある。フィジカル・データもNPBの平均値を全部超えている。ここにいるのはもったいない選手って感じですよね。上に行ければある程度やれちゃう」
昨年、一昨年とドラフト候補に名前が挙がったが、指名には至らなかった。23歳。フルシーズンで戦う3年目は本当の勝負の年だ。長打率・476(1位)出塁率・417(3位、17日現在)など、存在感は際立っている。
「打点が増えたのは自分としてもいいと思う。序盤は自分がチャンスを作るじゃないですか。中盤にチャンスで回してくれて、そこで打ててる。勝負強さがでてきたのかな、と思ってます」
「もうこれ以上はないんじゃないか」と思うようなすごい打球が飛び始めた。強く記憶に残るのは香川との前期9回戦、九回表(5月30日、レクザムスタジアム)。篠原が投げた148キロのストレートを左翼へ弾き返した3号逆転2ランである。
「勝負強さも出せたし、逆方向にホームランっていう形ができた。インパクトの強さで言ったら、この間のレクザム(8月13日、後期4回戦。右翼場外へ8号2ラン)もそうだし」
自信が落ち着きにつながっている。「普通に打てばヒットになる。普通にやればいい。普通に……」そう自分に言い聞かせて打席に入る。
「甲子園が終わって、これからスカウトもいっぱい来てくれると思うので。そこでアピールしないと。いま連戦中なので、連戦をキツいと思うか。アピールするためのチャンスと思うか」
「候補」のまま終わるのではなく、3度目のドラフトを「三度目の正直」にするために。