【新コーチに聞く】石原コーチ、正捕手への近道は観察力

 新井貴浩新監督(45)の新体制で迎える2023シーズン。コーチも新たに4人が加わった。新井監督の“懐刀”として、来季へ、選手たちへの思いを問う連載「新コーチに聞く」。最終回は石原慶幸1軍バッテリーコーチ(43)だ。強いチームには強い捕手あり。カープ歴代でも指折りの元名捕手が、扇の要を磨き上げていく。

 -現役を離れて、初めてのコーチ職。秋季キャンプに参加してまず感じたことは?

 「選手一人一人が、考え方も体のつくりも違います。一つのことを話すのでも、一つの言葉で全員に伝わるのは難しいと思いました。各自に合った、それぞれの言葉が必要と感じましたね」

 -コーチと選手、新たな立場で関係を築く必要がある。

 「選手たちにお願いしたいのは『分からない』ということを戸惑わないで欲しいということです。それぞれの感覚がありますから、分からないなら違うやり方を探して伝えないといけない。分からないことは、悪いことじゃないんだから『正直に言って』というところですね」

 -一緒にプレーした選手も、初めて接する選手もいる。

 「秋季キャンプの参加期間もあまり長く取れなかったので、性格や人間性などを完全に把握するには時間が足りなかったです」

 -その限られた時間をどう活用した?

 「まずはこちらが選手を知るよりも、オフの間に身につけるべき基本のところを伝えた感じです」

 -坂倉が捕手一本に絞る、という話も出ていたが。

 「覚悟を持ってのことですから、自分で考えて行動し、練習していってくれるでしょう」

 -正捕手候補?

 「それは決められません。会沢もいれば磯村、石原もいる。打者としては捕手陣の中で目立つ存在ですが、総合的に見て誰が上か。ただ、全体を底上げできるようないい競争になるとは思います」

 -総合力の中で、キャッチャーに求めたいことは?

 「よく『野球はピッチャーが投げないと始まらない』と言われますが、その前にキャッチャーがサインを出さないと、ピッチャーも投げられない。その重大な責任を担いながら、しっかりした考えの中でサインを出せるようにすることは必要です」

 -フィジカル以上に頭脳が要求される?

 「中でも観察力は大事ですね。まずは自軍の投手を観察する。球質だけでなく、場面場面でのしぐさや、語りかける時、強く言うべきか、柔らかく伝えるべきか、そうした投手の性格も観察する」

 (続けて)

 「その上で、相手打者、相手ベンチなどを観察してサインを出したり状況判断したり。そうして考え抜いた上で仮に失敗しても、次につながります。考えないプレーでの失敗では反省もできませんから」

 -観察力を備えた捕手陣の成長が楽しみ。ありがとうございました。

 石原 慶幸(いしはら・よしゆき)1979年9月7日生まれ。岐阜県出身。現役時代は177センチ、90キロ、右投げ右打ちの捕手。県岐阜商から東北福祉大を経て、01年度ドラフト4巡目で広島入団。1年目の02年10月5日・ヤクルト戦(広島)で初出場初安打。18年5月11日・阪神戦(マツダ)で、広島捕手では初で史上最年長となる38歳8カ月での1000本安打達成。ベストナイン、ゴールデングラブ賞各1回(いずれも16年)。16~18年にはチームの3連覇に貢献。09年WBC日本代表。通算成績は1620試合出場、1022安打、66本塁打、378打点、打率.236。

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