昔パラフィン、いま手術?北別府氏が医学の進歩を改めて実感 「森下は問題ない」

 広島・森下暢仁投手(25)が10月に右ひじを手術、患部の不安を取り除いた状態で来季を迎えるという。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は“マッサージか針かパラフィンか”と言われた過去とは比較にならない医学の進歩を強調。「焦らずリハビリに時間をとれば問題ない」と話す。

◇ ◇ ◇ ◇

 森下の右ひじが、手術するほど悪かったとはね。たとえクリーニング手術とはいえ、重い決断だったんじゃないかな。

 〈手術=右肘関節鏡視下骨棘(こっきょく)切除、右肘関節内滑膜切除=は10月26日に群馬県館林市の病院で行われた〉

 どんな形であれ、自分の体に“メス”を入れるわけだから、だれだって抵抗があるでしょう。ましてや選手生命が終わる可能性だってあるしね。

 しかし、今の時代は比較的簡単に手術できるし“掃除をする”程度ならほとんどの投手が回復して、150キロの球をガンガン投げている。医学の進歩はすごいですよ。

 かつては「肩肘をやった」と言えば、もう終わりという感じだったからね。私も晩年に肘を痛めた経験があるけど、ケアの方法はマッサージか針かパラフィンぐらい。

 パラフィンというのは、溶けたろうそくが入った容器に患部を突っ込んで、ろうが張り付いた状態で保温効果を期待する温熱療法。

 寒い時期は肩や肘がなかなか温まらないから、これを練習前にやって十分温めてからキャッチボールをやったもんですよ。

 でも肘が治るわけじゃないですからね。あくまでも血流をよくするための準備というか“ウオーミングアップ”のひとつ。

 あのころは手術なんて、アメリカまで行かないとできなかったからね。仮に私も手術に踏み切っていたら、何年か投手寿命が伸びたかもしれないが、それが嫌で現役を辞めたわけだし。それほどメスを入れるのには抵抗があった。

 でも一度、肘を痛めると、またピリっとくるんじゃないかと常にビクビクしていたもんですよ。電気が走る感覚というか。

 だから思い切って腕が振れない。そうなると、まともな練習ができなくなる。悪循環だね。

 私は手術の経験がないからうまくアドバイスはできないが、医師の指示とトレーナーの回復プランに従ってしっかりリハビリして、投球再開まで十分時間をかければ問題ないと思う。

 来シーズンの開幕から逆算しての手術なんだろうが、とにかく焦らないことだね。

 投げられる段階にまで戻ることができれば肘の不安はなくなる。不安がなくなれば思い切り練習ができる。それだけでも大きい。

 調子が悪くても試合中に修正できるのが森下で、今季は10勝を挙げてチームの勝ち頭にもなった安定感のある投手。

 手術をするからには開幕投手に関してはあまり意識せず、シーズンを通して活躍することを念頭にしてほしい。新監督のもと、最も信頼のおける投手になると期待している。

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