広島・林 復調の兆し「もっともっと」
4年目の林晃汰内野手(21)がトンネルを抜け出そうとしている。15日・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)で2号ソロを放つなどようやく打撃に復調の兆しが見え始めた。昨年オフ、鈴木誠也がメジャー移籍した際には4番候補にも挙がったスラッガー。現在のところ今季は1軍出場なし。苦しんだ今季を振り返りつつ、現状を聞いた。
林は15日・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)の二回の打席で、大竹耕の内角高めツーシームを右翼スタンドに運ぶ2号ソロを放った。
翌16日・オリックス戦(杉本商事BS)では初回2死三塁で中村の変化球を左翼線にはじき返す先制の適時二塁打。六回には近藤の148キロを中前打とここにきてようやく調子を上げてきた。
「しっかり狙っていった形で打てた。良くなってきてると思います」。高2軍監督も「ここのところ調子を上げてきている。力強さが出てきた。迷わず振れている」と目を細める。
今季は90試合に出場し、打率・223、2本塁打、26打点(18日現在)。昨季1軍で102試合、打率・266、10本塁打、40打点を記録したスラッガーにとっては物足りない数字ばかりが並ぶ。なにより1軍出場が18日現在、1試合もない。
そんな現状について「1軍では出てないですけどしっかり自分の中での狙いもありますし、そこをできているので、今後につながってくれるんじゃないかなと思います」と冷静に捉えている。
苦しんだ1年。投げ出したくなるときもあったのでは?こちらの意地悪な質問に林は笑った。
「それはしょうがないです。ヘタクソなんで。だから(1軍で)出られない。もっともっとレベルアップできるようにと思ってずっとやってきました」
うまくなるために、ひたむきに白球に向かった。ようやくだが、兆しは見えてきた。
「同じ内容の凡退が多かった。やられ方も一緒だったので、そこは考えました。試合の流れとか、相手投手の持ち球だったりを頭に入れて整理して打席に入れています」
打撃の形にこだわるだけでなく、相手投手の特徴、配球を考え、対応するように心掛けた。徐々に結果に表れるようになった。
「しっかり結果を残していきたい」
残りわずかとなった1軍戦出場を目指して、ひたむきに結果を求めていく。
◆林 晃汰(はやし・こうた)2000年11月16日生まれ、21歳。和歌山県出身。182センチ、101キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号44。智弁和歌山2年夏の甲子園では興南戦で本塁打。3年夏も甲子園に出場するが初戦で近江に敗れた。18年のドラフト3位で広島に入団。昨季は102試合に出場し、打率・266、10本塁打、40打点。