マエケン体現8・6恒久平和への願い

 ピースナイターで着用する背番号「86」のユニホームを披露する前田(撮影・出月俊成)
2枚

 広島が8月6日の阪神戦(マツダ)で実施する「ピースナイター」で着用するユニホームの発表会見を6日、行った。原爆投下から70年の節目に、セ・リーグ球団では初めて監督、コーチ、全選手が背番号「86」のユニホームを着て試合に臨む。会見に登場したエースの前田健太投手(27)は「気持ちを一つにして戦っていきたいです」と話し、恒久平和への願いをグラウンドで体現すると誓った。

 平和の象徴とされる白いハトが、帽子の右側頭部に描かれた。胸に「PEACE」、背に「HIROSHIMA」と赤く記された86番のユニホーム。カープ球団は復興と共に歩んできた。原爆投下から節目の70年。リーグ初めての試みで、恒久平和を訴える。

 8年目のイベントとなった「ピースナイター」。当日は監督、コーチ、全選手が着用して試合に臨む。原爆で壊滅した街の復興を旗印に、産声を上げた市民球団。慰霊の意を表すとともに「8月6日」に対する思いや記憶、歴史を次世代に引き継ぐきっかけになるよう願う。

 「身の引き締まる思いです。みんなで気持ちを一つにして戦っていきたい。8月6日は特別な日。記憶から薄れていくのはすごく悲しいこと。カープの選手として、野球を通じて忘れてはいけない思いを全国に伝えたい」

 真新しいユニホームを着て、会見に登場したエース前田は、神妙な表情で実施の意義を訴えた。5年前に広島市が、市内の小中学生に原爆投下日時を訪ねる調査を実施。正答率は小学生が33%、中学生で55・7%まで低下していた。復興の象徴として歩んできた球団。その使命として、記憶と歴史を伝えていく。

 大阪出身の前田も入団後は毎年、8月前後に平和記念公園を訪れ、慰霊碑に手を合わせているという。「カープは地域の皆さまと歩んできた球団。この日に野球ができる喜びを感じながらプレーしたいです」。マツダスタジアムで8月6日に、試合が開催されるのは3度目となる。前田も前回13年に登板し、7回無失点に抑えた。

 左袖には15年度までに慰霊碑に奉納された、原爆死没者数が記される。「カープという球団と広島の歴史を、全国の人に知ってもらえるように頑張りたい」と前田。真夏を目前にチームはAクラスに浮上した。節目の年に24年ぶりの栄冠を。恒久平和の願いとともに、特別な1年を戦う。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス