黒田まさか…8年ぶりG戦サヨナラ負け

 「巨人2-1広島」(30日、東京ド)

 壮絶に散った。広島・黒田博樹投手(40)が完封目前の九回に2点を奪われサヨナラ負け。今季初対戦の巨人相手に粘りの投球を続けていたが、118球目に力尽きた。チームは今季5度目のサヨナラ負け。1カ月ぶりの3連勝を逃した悔しすぎる敗戦だが、黒田よ、胸を張れ-。

 鬼の形相で口を真一文字に結んだ。悪夢のサヨナラ負け。悔しさ、己への怒り、責任を一身に背負った黒田は誰よりも早くロッカーを出て、一直線に帰りのバスに向かった。質問には一切応じず、今季初めて登板後のコメントを拒んだ。

 復帰後初完封目前の九回。2安打で1死一、三塁とされ、阿部に右前同点打を浴びた。続く一、三塁から亀井にサヨナラの左犠飛。今季最多タイの118球目。敗北を告げる三走・坂本の生還を見届けた右腕は唇をかみ、ベンチへ引き揚げた。

 快投が暗転した。八回までに稼いだアウト24個中、三振は8つ、ゴロアウトは12個を数えた。最速150キロの直球、フォークがさえ、持ち味を存分に発揮した。一回2死から六回まで16人連続で抑えた。無死二塁のピンチを2死までこぎつけた七回には、亀井をスライダーで二ゴロに封じ、グラブをたたいてほえた。今季最高の投球だったが、最後に音を立てて崩れた。

 緒方監督は悔しさを押し殺しながら「負けは痛いよ。(黒田は)責められない」と述べた。畝投手コーチは「八回が終わった後に本人と話して、九回を任せることになった。ボール自体は問題なかった。ナイスピッチングだった」と話した。

 07年9月14日以来の巨人戦登板。プロ初勝利(97年4月25日)、プロ通算100勝(07年7月14日)はいずれも東京ドームでの巨人戦。以前に「日本にいる時から思い入れがあった」と話していた通り、魂のこもった118球だった。

 8回2/3を6安打2失点でチームは今季5度目のサヨナラ負け。5月31日以来の3連勝を逃し、6月の月間成績を5割で終えた。

 負けはしたが、カープの40代投手では、97年・大野豊以来の完投。かねて「強いチームに勝っていかないとダメ」と話していた右腕。この悔しさを糧にやり返すだけだ。

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