大瀬良ヒヤヒヤ4連勝…打線に感謝
「ヤクルト7-13広島」(8日、神宮)
広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=がプロ初勝利から4連勝で、チームの連敗を止めた。自身最短5回1/3、同ワースト5失点の内容だったが、序盤の好投で打線の爆発を呼び込んだ。打線は13得点16安打といずれも今季最多。うっぷんを晴らしてチームは単独首位をキープ。さあきょうから本拠地で再進撃だ。
プロの厳しさを教えられた4勝目だった。マウンドで両膝に手をつき、ガックリと下を向いた。顔を上げた大瀬良は、右越えソロを放った雄平のホームインを見やり、歯を食いしばった。
5回1/3、2本塁打を含む9安打5失点。自己最短、ワースト失点だ。「あれだけ点を取ってもらって、少しでも長く投げたかった。次はしっかり投げられるよう頑張ります」。反省を口にした。
7点リードで迎えた六回、3球で完封ペースが暗転した。先頭から比屋根、川端に連続二塁打、バレンティンに左越え2ランを献上。すべて初球だった。得点圏に走者を置いた場面では、27打席目で初めて適時打を許した。さらに雄平に、自身初となる連続被弾を浴びた。1死から走者を出して降板した。
それでも、4月16日・阪神戦(マツダ)のプロ初勝利から始まり、広島の新人投手では12年の野村以来となる4連勝を達成。「五回まではしっかり投げられた。六回を反省して、次へ切り替えたい」と誓った。
六回に変化球を狙い打たれた。山内投手コーチは「六回は甘かった。バッテリーが工夫しないと」と反省を促し、野村監督も「もう少し粘ってくれないと困る」と不満顔だ。
ただ、今季初となるチームの3連敗は免れた。これまで首位陥落の危機で2度白星を挙げた。節目で勝つ男であるのは事実だ。
11日は母の日。長崎日大2年の冬、身長185センチ、体重68キロだった右腕は増量を決意。米2合分の弁当を3つ、間食用のおにぎり5~7個を支度し続けた母・さゆりさんへの感謝の気持ちは強い。
プロ初勝利翌日の4月17日、母、弟、妹と会食した。母からは「とにかく元気で、ケガなくやってくれれば」と気遣われた。反省を糧に、成長を目指す姿勢を貫く大切さを大瀬良は分かっているはずだ。
