野村監督、炎のノック!堂林に165本

 広島・堂林翔太内野手(21)が20日、マツダスタジアムで指名練習を行い、野村謙二郎監督(45)から約30分、熱血ノック165本を浴びた。19日の巨人戦(東京ドーム)は失策を連発。監督からは「昨日はお前で負けた。残り39試合、お前で勝った試合をつくれ!」とカツを入れられた。

 熱い、熱過ぎる真夏の“師弟劇場”だった。午後1時、気温は34度。アップ、キャッチボールを終えた堂林は、野村監督の炎のノックを受けるべく、内野守備に就いた。

 軽めの慣らしを終えると、監督から捕球動作に関し、直々指導。次に両膝を地面につき、グラブさばきだけの特訓。そこから立ち上がると、両足を踏ん張り、上半身だけの捕球を繰り返した。

 続いて左右への動きを入れ、休む間もなく、67本を受け続けると、締めは送球も入れた通常のノック。「一歩前へ出ろ!」「メリハリを付けろ!」1球ごとに監督の声も熱を帯びた。堂林は両膝に手をつき、肩で息をしながら、食らい付いた。30分、しゃく熱の中、計165本をさばき切った。

 ノック後は監督がトスを上げ、柵越え3連発まで終わらない恒例のロングティー打撃。これも30分以上フルスイングし続け、野手ただ1人の指名練習は終わった。

 前日の巨人戦(東京ドーム)では初回に適時打を放ったが、3‐1の五回に適時失策含む2失策。この日、練習終わりに監督から厳しいカツを入れられた。「はっきり言う。昨日はお前で負けた。残り39試合、あと何試合、お前で勝ったという試合をつくれるか、やってみろ」。

 今季25失策、109三振は両リーグ断トツ。それでもAクラスを争う中、指揮官は起用し続ける方針だ。堂林の胸にも指揮官の思いが響いた。

 「個人としても借金(自身のミスで負けた試合)がある。僕がやっていなければもっとチームの貯金はあった。でも戻ることはできない。逃げたくはない。死ぬ気で向かっていきたい。残り39試合、ヒーローになれるように。僕が引っ張った試合を一つでも多くつくりたい」

 3連敗を喫し、3位キープながら借金は2。21日から本拠地でDeNA、阪神と下位チームとの6連戦で再浮上を狙う。「まずはこの1週間、全部勝てるように。もう調子じゃない。気持ちです。(カギを握るのは)僕です。僕だと分かっています。これからです」。プリンスが闘志前面に己を鼓舞した。

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