高野連が夏の甲子園、49地方大会も中止発表 理由説明「リスクなくすことできない」

 日本高野連は20日、新型コロナウイルスの影響で第102回全国高校野球選手権大会、49地方大会を中止すると発表した。中止の理由も具体的に記載し、「感染リスクを完全になくすことはできない」などと説明した。

 夏の甲子園が中止となるのは米騒動の1918年、戦局悪化の41年以来、79年ぶり3度目。戦争での中断(42~45年)を除くと、春夏連続の中止は史上初となった。

 中止の具体的理由は以下の通り。

 (1)地方大会

 約3800校が参加し、6月下旬から8月初めにわたって全国各地の約250球場で開催が予定されている地方大会での感染リスクを、完全になくすことができない。休校や部活動停止などの措置が長期間に及んでおり、練習が十分でない選手のけがなどの増加が予想される。

 登校日や授業時間の確保のために夏休みを短縮し、登校日や授業日を増やす動きがある中、予定されていた地方大会の開催は学業の支障になりかねない。運営を担う役員や審判員を十分に確保できないことや、治療や感染防止などで傾注されている医療スタッフに球場への常駐を例年通りお願いできないことが予想され、公的施設の使用制限で市況球場が限られたりする可能性もある。

 (2)全国大会

 開催を前提にした感染防止対策は、専門家の助言も得ながら「三つの密」を避けるために、無観客試合とすること、選手らが一同に会する組み合わせ抽選会や甲子園練習、開会式の取りやめ、選手、大会関係者の検温や手指消毒の徹底などを想定してきた。しかし開催期間が2週間以上に及ぶこと、代表校が全都道府県から長時間かけて移動すること、集団で宿泊してまた地元に帰ることなどを考慮すると、感染と拡散のリスクが避けられない。

 この日、高野連はWEBによる運営委員会を開催。14日には政府による緊急事態宣言が39県で解除されたが、全国的に部活動を停止している高校が多数。今夏の甲子園は8月10日に開幕する予定だったが、感染リスクなど選手らの安全や健康面を優先し、苦渋の決断を下した。

 コロナ禍により、高校野球は今春のセンバツが史上初の中止となり、全国47都道府県と9地区の春季大会も開催を断念。高校スポーツは同時期に開催のインターハイ(8月10日~)も中止となり、夏の甲子園の開催可否が注目されていた。

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