ヤクルト池山新2軍監督 指導者歴13年目 古巣で再出発「経験が財産」
ヤクルトの池山隆寛新2軍監督(54)が、デイリースポーツのインタビューに応じた。ドラフト1位の奥川恭伸投手(18)=星稜=は右肘の軽い炎症のため2軍キャンプスタートが決定的。新人選手を含む金の卵たちを預かる同2軍監督の指導方針に迫った。さらにチームの課題の一つ、新たな右の大砲“山田哲人2世”の育成についても語った。
-2軍監督、コーチとしての指導者13年目は、古巣ヤクルトでの再出発。
「奥川がいいよね。練習を見て、改めてうちの球団に入ってくれたんだなっていう実感がわいてきたよ」
-実際に見たドラフト1位・奥川の印象。
「マー君(現ヤンキース)みたい。マー君も(楽天に)入ってきたときは、細身だったし。それだけの能力を秘めている投手だと思う。甲子園での活躍とかプレースタイルっていうのは、ずっと見てきたので」
-指導方針は体験談から?池山2軍監督自身、現役時代は内角を突いてくる投手が苦手だったというが…。
「打者が苦手とするところを突いてこられると、外をうまく使われてしまうからね。奥川君にも、そういう打者心理というものを伝えていきたい。一発を打ってきた打者の気持ちはこうなんだよっていうのは話せると思うので」
-どういう投手に育ってほしい?
「本格派のエース。近年にいない投手だと思うので、奥川自身がお手本になっていくような投手になってほしいね」
-将来的にはタイトルも。
「その器は十分あるよ」
-他にもヤクルトには、若手選手の有望株がたくさんいる。
「野手だったら、浜田(19歳・2年目の外野手)、中山(23歳・2年目の外野手)…塩見(26歳・3年目の外野手)あたり。浜田は秋季キャンプに参加して、その後には台湾のウインターリーグにも行ってね。その経験を今年は生かしてほしい。小柄に見えて、小力はある選手だから」
-3選手とも右打者。昨季は左の村上が台頭しただけに、右の大砲育成が待たれる。
「山田に続く右の大砲っていうところは、チームにとって重要な課題だから。バレンティンが抜けた穴を誰が埋めるんだっていうのもあるし…」
(続けて)
「僕は塩見に注目しているよ。昨年、秋季キャンプを見に行ったときに、参加メンバーの中で一番遠くに飛ばしていたのが塩見だった。足も速いし、1軍の首脳陣も期待していると思う」
-山田哲の若手時代を知っている。
「彼の1年目、2年目を(2軍打撃コーチとして)見てきて、山田は当時マメが破れるほどにバットを振れる子ではなかった。まずは練習の体力作りからスタートしたよ」
-地道な練習がスター選手を作り出す。
「ファームは調整と育成の場。結果だけではなくて内容も求めていかないといけない。結果と内容までの過程が重要。昨季、村上が新人王でブレークしましたけど、僕は成績以上に彼が1年間1軍で戦えたっていうことを評価したい。2軍で強靱(きょうじん)な体と体力をつけられたということだから」
-池山2軍監督はONE TEAMで戦う“選手ファースト”の野球を掲げている。
「僕だけの考えだけではなくて、選手たちにとって何が一番いいやり方なのかをコーチみんなで考えていきたい。選手あっての首脳陣、監督だから。これからたくさん経験をしていく選手ばかりなので、一人でも多く1軍に送り出してあげたいし、そのための野球っていうのがしたいね」
-指導歴13年目へ。
「僕の考えは『経験が財産』というもの。目標とか課題にどう向き合っていけるか。順風満帆にいくことばかりではないかもしれないけど、プロの世界というものをたくさん経験していってほしい」
-可能性は無限だ。
「山田の場合もずっと遊撃でやってきたのに、一つのスローミスが二塁へのコンバートにつながった。でもそれが成功なわけでしょ?どこで開花するのかはわからない。経験の中に失敗があってもいいんだよ。その次は成功するように。その方向性を間違えないようにしたいですね」
(続けて)
「強く、明るいヤクルトにできるように、僕も精いっぱい頑張っていきます。よろしくお願い致します」