ソフトバンク王会長“イチロー監督”見てみたい 「人望とかは生まれてくるもの」

 マリナーズ・イチロー外野手(45)の現役引退発表から一夜明けた22日、各界から反響が殺到した。引退会見をテレビですべて見守ったというソフトバンクの王貞治会長(78)は第1回WBCで監督、選手の関係だったイチローの引退を惜しみつつ、“イチロー監督”の実現を希望した。また政界からは国民栄誉賞の声が上がった。

 穏やかな口調に思いがあふれていた。ウエスタン・阪神戦の視察のため福岡・筑後市のファーム施設に訪れていた王会長は、2006年の第1回WBCで侍ジャパンの監督、選手の間柄だったイチローについて報道陣から問われると、「来るべき日が来ちゃったのかな。もっと先だろうと思っていただけに残念」と惜しんだ。

 深夜に及んだ引退会見は「見逃したくなかったからね」とテレビですべて見守ったという。長きにわたってスーパースターとして第一線で活躍したイチローだが「彼は自分の悩みがあったとしても、納得するような返事をもらえる人がいなくて、孤独だったんじゃないか」と思いやった。

 今春のオープン戦を含めて、結果が出なかったことには「練習してはいたが、試合をやっていなかったブランクは大きかったと思う。乗り越えられると思っていただろうが、それはかなり厳しかったんじゃないか」と推しはかった。

 また、イチローが引退会見で「監督、絶対無理ですよ。これは絶対がつきますよ。人望がない。人望がないんですよ」と語ったことにも言及。「人望とかは生まれてくるもの。そこで人望がないと言ったのも本心ではないだろう。やっているうちに生まれていくもの。彼もオリックス時代に仰木監督などの苦労も見ているはず。今の時点ではなれないということではないか」と分析した。

 イチロー監督については「僕は見たい」と力を込めて希望した王会長。ただそう言いながらも「彼にそんな新たな悩みを持って戦わせることをさせたくないし、まずは解放してあげようよ」とねぎらった。

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