金足農・吉田 巨人筆頭に1位での競合確実 指名が予想される球団は…

 今夏の甲子園で秋田・金足農を準優勝に導いた吉田輝星投手が、プロ野球志望届を提出することが5日までに分かった。プロ注目の右腕は25日のドラフト会議で、1位での競合が確実視される。

 甲子園での活躍で一躍、注目の的となった右腕。スピンの効いた直球は最速152キロ、スライダー、スプリットなどの変化球も一級品。けん制、フィールディングなどを含めて完成度は高く、高卒1年目から活躍する可能性も十分だ。

 プロとして大事な要素である、スター性も抜群。12球団すべてがほしい存在であることは間違いない。その中でも現時点で1位指名が予想されるのは巨人、楽天、西武、日本ハムの4球団だろう。

 巨人は吉田が「巨人ファン」を公言したこともあり、指名は濃厚だ。近年、球団は生え抜きスターの台頭を切望しており、甲子園で活躍した選手の“スター性”にも着目してきた。昨年はくじを外し、清宮幸太郎内野手(日本ハム)の獲得に失敗。高橋由伸監督の退任が決まり、フロント体制も一新される見通しだが、球団の総意として吉田獲得を目指すことになりそうだ。

 楽天も“東北のスター”は喉から手が出るほどほしい存在。すでに、石井一久GMが「素晴らしい投手。秋田から東京に行く前に仙台があるので、仙台の駅で立ち寄っていただければいいと思います」と、ユーモアをまじえて熱意をアピールした。

 圧倒的な攻撃力で10年ぶりのリーグ優勝を飾った西武も、1位指名が予想される。チーム防御率はリーグワーストで、エース菊池雄星も今オフにメジャー挑戦する可能性が大。今季は甲子園優勝投手の2年目・今井達也投手が5勝を挙げて頭角を示した。投手力の底上げへ、吉田は是が非でもほしいだろう。

 日本ハムは毎年、「その年のナンバーワンの選手を指名する」というチーム方針を掲げており、吉田が最有力候補となる可能性は十分。昨年は競合の末、清宮の獲得に成功。指名となれば昨年、清宮の当たりくじを引いた木田優夫GM補佐の“黄金の左手”の出番となりそうだ。

 今秋は吉田以外でも大阪桐蔭の根尾昂内野手と藤原恭大外野手、東洋大の甲斐野央投手、梅津晃大投手、上茶谷大河投手、日体大・松本航投手らが1位候補に挙がる。

 大阪桐蔭・根尾の評価が高いのは阪神、中日。DeNAやオリックスは近年、なるべく競合を避けて大学生・社会人の即戦力投手を指名する傾向にある。とはいえ、ソフトバンクとロッテ、広島とヤクルトも含めた全球団が吉田を高く評価しており、今後のスカウト会議で1位指名候補として検討するのは間違いない逸材。最終的に何球団が指名に踏み切るか、注目が集まる。

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