楽天・岸 仙さんにささげる今季初勝利 「初回から全力」思い込めた118球

 「オリックス2-4楽天」(10日、京セラドーム大阪)

 1週間前にささげられなかった弔い星を、楽天・岸は必ず届けるつもりでいた。力を込めた6回1失点、118球。天国で見守る闘将に活躍を届けた右腕は、チームの連敗も止め、自らも今季初勝利をもぎ取った。

 「初回から全力で行きました」。何としても勝たねばならない。そんな思いを強くしていた。前回3日の日本ハム戦(楽天生命パーク)。1月4日にすい臓がんのため逝去した星野仙一球団副会長(享年70)を追悼し、チーム全員で背番号「77」をつけて臨んだ。重みのある数字を背負って8回3安打無失点と奮闘したが、チームは勝てなかった。「何とかチームが勝てるピッチングがしたい」と、2戦連続無四球で勝利に結びつけた。

 岸にとって、昨季7月19日の日本ハム戦以来となる白星。打線の援護に恵まれないことが多い右腕に、この日はペゲーロが2ランで報いた。クールに燃えた右腕を梨田監督は「力投だったね」とねぎらった。

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