「オープン戦、西武４－０ＤｅＮＡ」（２３日、メットライフドーム）

　視線は、次々とスタンドへ向かっていく打球を追うしかなかった。開幕投手、そして今季のエースに指名されたＤｅＮＡ・石田健大投手（２５）だが、初回から西武の強力クリーンアップに３連発を浴びるなど６回４失点。開幕に不安を残した。

　「カウントも悪くして、球も甘くなった」。初回２死から浅村に直球を左中間席に運ばれるソロを被弾。続く山川にはチェンジアップを左翼へ、さらに中村には再び直球を左翼席へたたき込まれ、瞬く間に３点を失った。

　二回以降は立ち直り、ラミレス監督は「全体的には悪くなかった。西武の中軸は能力がある打者。仕方がない。１回に安打を５、６本打たれるよりはいい」と左腕をかばった。

　石田も「なかなかできない経験。想像していないことが起こって勉強になった」と前を向いたが、ウィーランド、今永ら故障者が相次ぐ中で、石田が担う役割は大きい。「開幕へ今よりも良い状態に持っていきたい」。その言葉を信じるしかない。