明徳・馬淵監督、母に捧げる優勝 「監督を男に」ナイン団結し実現

 優勝を決め喜びを爆発させる明徳ナイン
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 「明治神宮野球大会・高校の部・決勝、明徳義塾4-0創成館」(14日、神宮球場)

 高校の部は明徳義塾が1981年以来36年ぶり2度目の優勝を果たした。馬淵史郎監督(61)にとっては、11日に亡くなった実母に捧げる神宮大会初制覇となった。これで来春センバツは明治神宮枠で四国が1枠増となり、4校が選出される。大学の部は星槎道都大と日体大が決勝に進出。敗れた東洋大・高橋昭雄監督(69)はラスト采配となった。

 歓喜する教え子を、穏やかな表情で見つめた。新チーム結成後、無敗で駆け上がった全国の頂点。馬淵監督にとっては、忘れられない勝利となった。

 試合後に神宮大会初戦だった11日の朝、実母・中本アキさん(享年95)を亡くしたことを明かした。12日の通夜、13日の告別式は欠席。「宿命というか、しょうがない。子供を預かっている以上はね」。私情を挟む気持ちはなかったが、告別式中に行われた準決勝後は思わず涙ぐんだ。選手には理由と事情を説明し、言葉をかけた。

 選手は指揮官が初めて見せた涙に奮い立った。宿舎では「監督を男にしよう」と団結。市川悠太投手(2年)は右内転筋を痛め、右手中指の爪も割っていたが、「気合で投げた」。4安打完封。今秋の公式戦、全10試合を一人で投げきった。

 ウイニングボールを受け取った馬淵監督は「墓前に飾りたい。もし、子供たちが(監督のためにと)考えてくれていたならうれしいね」と目尻を下げた。

 来春センバツは神宮王者として臨む。「監督になって夏(の甲子園)と国体で優勝して、神宮で優勝できて。ないのは、センバツの旗だけ。目標はできた」。勝負師の表情に戻り、4つの全国大会完全制覇に狙い定めた。

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