ソフトバンク・サファテがMVP 炎の3回0封「明日のことは考えていなかった」

 「日本シリーズ・第6戦、ソフトバンク4-3DeNA」(4日、ヤフオクドーム)

 勝利への思いを、自ら力のすべてを、右腕に込めた。「今日はとにかく勝ちたかった。明日のことは考えていなかった」。九回から7番手でマウンドに上がったソフトバンクの守護神デニス・サファテ投手。勝負が決するまで敵を封じ続ける。その強い覚悟で臨んだ。

 執念が逆転勝利を呼び込んだ。九回を7球で三者凡退に抑えると、直後に内川が値千金のソロを放ち同点。イニングをまたいで延長十回も続投し、無死二塁の危機を招きながら無失点で切り抜ける。

 そして、その裏の攻撃中に続投を志願。11年の来日後では経験のない3イニング目だが「チームのため。それだけです」。右腕にとって、それ以上の理由は必要なかった。

 5月には家族を見舞うために米国へ一時帰国。約10日間、チームを離れた。「チームを離れた時には、みんなが自分のためにも、と戦ってくれた」と仲間に感謝。だからこそ「今度は自分がチームのために」と熱い思いを抱いていた。

 延長十一回も抑えて3回無失点。直後の攻撃で2死一、二塁のサヨナラ機に打席に入った川島へ「ヒーローになってくれ!」とベンチから叫んだ。「本当に疲れた。これっきりにしてもらいたい」と冗談を交えつつ「みんなが何とかしてくれると思った」と仲間への絶大な信頼も示した。

 シーズン54セーブのプロ野球記録を樹立した安定感そのままにチームを日本一へ導き、シリーズMVP。それは1人の力ではない。「みんな愛すべきチームメート。最高のチーム」。守護神の顔に、マウンドでは見せない柔らかな笑みが戻った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス