「パＣＳファーストＳ・第３戦、西武２－５楽天」（１６日、メットライフドーム）

　一度火が付けば止められない。楽天のウィーラーが貴重な一発を含め、３安打２打点の大暴れ。打の主役として勝利に貢献し、「非常に興奮している。仲間が作ってくれた流れに乗せてもらったよ」と満面の笑みを浮かべた。

　勢いに乗った。まずは初回。２死満塁の好機で、しぶとく三遊間へ転がした。遊撃へ先制の適時内野安打。「何としても先制したかった。食らいついていった」。執念の一打で、流れを引き寄せた。

　貴重な追加点も一人で叩き出した。四回は先頭で中前打を放ち、犠打で二進。１死二塁から、枡田への３球目は暴投。ここで「三塁を回るところで、捕手（炭谷）がボールを見失っているのが見えたんだ」と迷わず三塁を蹴り、本塁へ突進。好走塁で２点目をもぎ取った。

　人気アニメ「ハクション大魔王」に似て、ファンからも人気絶大の助っ人。八回には左翼席へ特大ソロを放ち、敵地を沈黙させた。前日まで７打数０安打と不振だったが、大一番で大変身。梨田監督も「ウィーラーが元気だとチームも元気が出るね」と喜んだ。

　試合前からテンションを最高潮に上げ、仲間を盛り上げていたムードメーカー。「試合を楽しむことが大事なんだ。子どもの遊びの延長線上だからね」。最高の雰囲気で福岡に乗り込む。