楽天、逆転突破!梨田監督継投ズバリ「面白かった」

 「パCSファーストS・第3戦、西武2-5楽天」(16日、メットライフドーム)

 下克上への第一関門突破だ!逆王手をかけていたレギュラーシーズン3位の楽天が5-2で2位の西武を破って2連勝を飾り、対戦成績を2勝1敗として4年ぶりとなるファイナルS進出を決めた。18日からのファイナルSはリーグ優勝のソフトバンクが1勝のアドバンテージを持ち、6試合制で日本シリーズ進出を懸けて争う。

 迷いはなかった。6投手を小刻みに送り込む、懸命の継投策でリードを守り切った。第1戦を落とし王手をかけられる崖っぷちから、梨田楽天はしぶとく連勝し、ファイナルS進出を決めた。

 「面白かったけどね。みんな一生懸命やってくれて、残ったランナーをしっかり抑えてくれた。普段しない継投だったけど、よく応えてくれた。ブルペンもベンチワークもうまくいった」

 会見場に現れた梨田監督はほおを紅潮させ、一気にまくし立てた。3位の楽天にとって、引き分けは負けに等しい一戦。だからこその積極采配だった。

 五回、炭谷の犠飛で1点差に迫られ2死二塁としたところで、先発の美馬を早々と見切り、2番手・高梨にスイッチ。3連投のルーキーがこん身のスライダーで首位打者・秋山のバットに空を切らせ、ピンチをしのいだ。

 決死のバトンはまだ続く。六回無死一塁では育成枠から今年7月に支配下登録されたばかりの台湾人右腕・宋家豪を投入。メヒア、山川、浅村の強力打者を斬った助っ人を、梨田監督は「あそこを行くのは、宋(ソン)しかいない。得したけどね」と得意のダジャレを交えて称えた。

 七回にハーマン、同回2死からイニングをまたいだ福山を経て、最後は守護神・松井裕が締めた。一心不乱に強力打線に対峙(たいじ)し続けたリリーフ陣が、八回のウィーラー、枡田のダメ押し弾を呼び込んだ。

 初戦は天敵・菊池を打ち崩せず大敗したが、シーズンで対戦防御率4・64と苦戦した西武打線を、総力戦で倒す粘り強さを身に付けた。次なるステージでは、レギュラーシーズン94勝の王者ソフトバンクに挑む。「みんなで力を発揮します。対戦成績は、ほとんど五分だからね」。恐れることはない。自信を胸に秘め、博多に乗り込む。

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