侍・千賀2回5Kも 大会唯一の失点が決勝点…
「WBC・準決勝、日本1-2米国」(21日、ロサンゼルス)
千賀(ソフトバンク)の顔がゆがんだ。同点の八回1死一塁。フォークをキンズラーに左中間フェンス直撃の二塁打とされた。二、三塁。続くA・ジョーンズは内角直球で詰まらせ三ゴロだったが松田(ソフトバンク)がファンブルして本塁返球できず、勝ち越し点を許した。
「(キンズラーに打たれた場面は)あの試合、クイックで初めてのフォークだった。それを1発目でしっかり決める準備をしておかないと」。自身大会11イニング目の初失点が決勝点。右腕に酷な運命が待っていた。
同点直後の七回。菅野(巨人)の後を受けた。敵地のUSAコールの中、三者三振の滑り出しだった。八回も先頭スタントンをフォークで空振り三振に仕留め、4連続三振。続くクロフォードに右前打を浴び、冒頭の場面へつながる。
失点後、イエリチを意地のフォークで三振に仕留めた。初出場の今大会は計11回16奪三振、1勝1敗。「もう一つ壁を越えなきゃいけないと教えてくれた」。育成の星は華々しい初出場の記録と苦い記憶を刻んだ。