明徳、聖地50勝&全国制覇だ 名将馬淵監督は自信、昨夏早くもV“予告”

 第89回選抜高校野球(3月19日開幕、甲子園)で明徳義塾(高知)が2年連続17回目のセンバツに挑む。現チームは馬淵史郎監督(61)が全国制覇を“予告”するほど戦力が充実。昨秋の四国大会を圧倒的な力で制し、4季連続の聖地切符を獲得した。02年夏に優勝を経験している同監督の甲子園通算勝利数は「48」。ナインは「50勝」と「センバツ初V」を指揮官にプレゼントすることを目標に、じっくりと準備を進めている。

 昨夏の甲子園。準決勝で作新学院(栃木)に敗れた馬淵監督は、こう言い残して聖地を去った。

 「来年は優勝しますよ。見とってください」

 早々と全国制覇を“予告”するほど、指揮官は新チームの戦力に手応えを感じていた。プロ注目の左打者・西浦颯大外野手(2年)を中心に打線は力強く、エース左腕・北本佑斗投手(2年)ら投手陣も充実。もちろん伝統の堅守も兼ね備えている。

 断トツの優勝候補として迎えた秋の県大会。明徳義塾は決勝で中村に0-2の完封負けを喫した。悔しすぎる準優勝。馬淵監督は「あの負けでチームに危機感が出た」と振り返る。

 2位校として出場した四国大会では圧倒的な力を誇示した。決勝で帝京五(愛媛)を11-2で下すなど、4試合で36得点。上位から下位までどこからでも得点できる攻撃力の高さを見せつけた。

 四国王者として臨んだ神宮大会では初戦で作新学院に雪辱。2回戦で福岡大大濠(福岡)に0-2で敗れたものの、指揮官は「北本が自信をつけた。ピンチでも踏ん張れるようになった」とエースの成長を収穫に挙げる。

 冬場は各選手が意識を高く持ち、弱点克服に励む。50メートル5秒9の俊足と高校通算23本塁打のパワーを併せ持つ西浦は「体幹が弱くて前に突っ込むクセがあったので、体幹トレーニングを多めに取り入れて下半身を強化しています」。エース・北本は「秋は四球が目立ったので、制球力をつけて球数を減らすことをテーマに投げ込んでいる」と話した。

 4季連続の甲子園。ナインが目指す場所もやはり高い。山口海斗主将(2年)は言う。

 「目標は日本一。監督に50勝とセンバツ初優勝をプレゼントしたい」

 昨夏の4強入りで、馬淵監督の甲子園通算勝利数は「48」まで伸びた。「10年くらい前から目標にしてきた」という50勝到達まで、あと2勝。馬淵監督は「今度のセンバツでできたらええね」とニヤリと笑う。

 さらに、あと3勝を挙げれば渡辺元智監督(横浜)、前田三夫監督(帝京)と51勝で並び3位タイとなり、4勝すれば単独3位に浮上する。この春、どこまで勝ち星を積み上げられるか。「ここまで故障者もなく順調。投手陣も仕上がりがいい」と馬淵監督。じっくりとチームを仕上げ、甲子園に乗り込む。

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