呉にセンバツ切符!創部10年初聖地 チーム全員が広島出身

 第89回選抜高校野球大会(甲子園)の出場32校を決める選考委員会が27日、大阪市内で行われ、呉(広島)の春夏通じての初出場が決まった。広島県勢では2014年の広島新庄以来3年ぶり。呉市からの甲子園出場は1963年春の呉港以来、54年ぶりの快挙。チーム一丸となり、夢舞台で初出場初勝利を目指す。

 待ちに待った吉報に校内のあちこちから一斉に歓声が湧き起こった。午後3時45分。授業終了を待って、校内放送を通じ、全校生徒に野球部の快挙が知らされた。

 「甲子園に出られると思うとすごくうれしい。決まるまですごくドキドキしていました。呉、広島、中国地区の代表として一戦必勝を胸に全力で戦っていきたい」。主将の新田旬希内野手(2年)は安どの表情を浮かべ、気持ちを高ぶらせた。

 創部10年で初めて聖地にたどり着いた。07年に就任した中村信彦監督(62)が一からチームを築き上げ、甲子園への切符をつかんだ。チーム全員が広島出身。「(どんなチームができるのか)楽しみがあったので、楽しみながらやらせてもらった。生徒がそれに応えてくれて、このような結果になった」と穏やかにほほ笑んだ。

 15年夏の広島大会決勝で広島新庄に敗れるなど、近年は常に上位に進みながらも、あと一歩で甲子園出場を逃してきた。昨秋は粘り強い野球で広陵、広島新庄など強豪校を次々と撃破して、中国大会準優勝。ついに目標としてきた場所への扉を開いた。

 守り勝つチームを支えたのが、エース左腕の池田吏輝投手(2年)だ。秋の県大会から中国大会決勝まで全9試合に登板し、6完投で快進撃の原動力となった。「呉から強豪校を倒して甲子園に出たいと思っていました。あの舞台に立てる」と声を弾ませた。

 秋の戦いで課題も生まれた。疲れがたまってきた中での投球だ。毎年正月に行われている3泊4日の尾道合宿では、スタミナや下半身を強化。「鍛えられたなという実感はあります」。初日は尾道から今治まで約70キロの道を自転車で往復。2日目からは砂浜や坂道をダッシュするなど、徹底的に鍛え抜いた。

 3月10日の組み合わせ抽選会で初戦の相手が決まる。「接戦を制するというのが自分たちの持ち味。甲子園でも変わらずにやっていきたい。基本のバントや走塁面などを磨いて、失敗をなくし、他の強豪校と対等に戦えるようにしたい」と力を込める新田主将。「ICHIKURE」のユニホームが初見参の全国舞台で旋風を巻き起こす。

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