千葉経大付・中村夢散る 父が故阪神中村GMのいとこ

 「高校野球千葉大会・準決勝、千葉経大付5-6木更津総合」(25日、QVCマリンフィールド)

 過去3度優勝の千葉経大付が今春センバツ8強の木更津総合に逆転負けし、決勝進出を逃した。前阪神GMで故中村勝広氏の親戚にあたる中村亮太投手(3年)は、先発して八回途中5失点で降板。甲子園出場の夢はかなわなかった。

 誓いは果たせず、甲子園への道は途絶えた。184センチ、75キロの細身の体でチームを支えてきた中村は「エースナンバーをもらっていて、情けない気持ちでいっぱいだった」と言葉を絞り出した。

 140キロを超える直球に多彩な変化球を交え、六回まで2安打1失点。だが、4点リードの七回に集中打を浴びて一気に追いつかれた。八回先頭に左前打を許して降板。「何回り目かで相手が合ってきた。かわせる投球ができていれば、仲間を泣かせることはなかった」と唇をかんだ。

 父・隆一さん(60)が故・勝広氏のいとこ。中村は毎年正月に会い、小学生の頃はよくアドバイスももらった。昨年の千葉での葬儀にも参列。「パワーをもらえたら」と、ひつぎに置かれた阪神のユニホームに手を当てた。中学時代は3番手だった右腕が、高校では強豪のエースに。「甲子園に行って『ここまで投げて来たんだよ』というのを見てほしかった」。成長した姿を、勝広氏が愛した聖地で披露できなかったことを悔やんだ。

 敗れても、教えは体現した。「いくらいい投手でも、強気でガムシャラに食らいついていけ。気持ちで負けたら打てないぞ」。勝広氏から掛けられた言葉だ。五回に全国屈指の左腕・早川から同点の左前適時打。「向かっていく気持ちで負けないように振った。生かせたと思う」と振り返った。

 今後は進学して野球を続ける。「この悔しさを忘れないように、次のステージで晴らせるようにしたい」と、涙を流さずに前を向いた。いつの日かきっと、甲子園のマウンドに立つ。

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