早実・清宮、聖地導けず涙 九回同点弾ならず犠飛…「この負け絶対忘れない」

 「高校野球西東京大会・準々決勝、八王子学園八王子6-4早実」(23日、神宮球場)

 西東京では、昨夏甲子園4強の早実が準々決勝で敗退した。怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(2年)は、八王子学園八王子の徹底マークを受け、1安打1打点2四球。チームを2年連続の聖地に導くことはできず、悔し涙に暮れた。

 1年前はうれし涙を流した神宮のグラウンド。引き揚げる清宮の目から、今度は違う涙がこぼれた。「上級生のみなさんともう(野球が)できないのが悔しい。3年生の夏を終わらせてしまった」。声も詰まらせながら、何度も自分を責めた。

 最後は一瞬、夢を見せた。3点を追う九回1死一、三塁。外野席まで埋まった2万3000人の歓声と悲鳴の中、大飛球が右翼に舞い上がった。だが、同点弾にはわずかに届かず犠飛。「つなげられなくて申し訳なかった」と、うなだれた。

 初回、五回の走者を置いた打席はストレートの四球。三回は右方向へ野手を寄せる大胆な“清宮シフト”を敷かれても「気にしていなかった」と、狭い右中間を破ってみせた。厳しいマークにも存在感は別格。ただ勝利には届かなかった。

 昨年は上級生に見守られて伸び伸びと力を発揮し“連れて行ってもらった”甲子園。今年の3年生には、旧チームの主力がほぼいなかった。それだけに「絶対に3年生の人たちを甲子園に連れて行きたかった」。主将の金子に意見を提案。積極的に声も出した。

 和泉実監督(54)は「キャプテンと同じような感じで声かけしてくれた。それがうまくみんなに浸透していった。特に冬を越えてから、そういう自覚は感じていた」と成長を認めた。新チームの主将は未定としながらも「リーダーシップは一番、清宮がとらなきゃいけない」と期待した。

 あと3勝が遠かった2度目の夏。清宮は「この負けを絶対に忘れないで、負けて良かったんだと言えるように、これからやっていきたい。高校野球の最大の目標は甲子園にでること。どっちも狙って、絶対に出たい」と、ぬれた瞳で誓った。怪物が再びマンモスを沸かせるチャンスは、まだあと2回ある。

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