「オリックス３－５西武」（２９日、ほっともっとフィールド神戸）

　４番の仕事だった。八回無死一、二塁から、西武・中村が佐藤達のスライダーを捉える。白球は左翼席中段に届き、１点ビハインドが２点リードに変わった。「芯の付近に当たった。いい形でチームも勝てたのでよかった」。逆転の１１号３ランを納得の表情で振り返った。

　制球に苦しむ佐藤達が栗山とメヒアを続けて歩かせた。中村に対してもボールが先行。「甘い球だったから」と、ストライクを取りにきた１球を、通算６度のキングが見逃すはずがない。前日の２ランに続く２戦連発で主砲が真価を発揮した。

　交流戦前の最後の試合を勝ち、借金４の４位。田辺監督は「簡単に返せる数字ではない。一つずつ戦って、パの上位と離れないようにする」と気を引き締めた。