「広島９－３巨人」（２５日、マツダスタジアム）

　勢いの差は歴然だった。１点ビハインドの六回、中継ぎの巨人・山口と田原誠が炎上。一挙７点のビッグイニングを作られ、今季初の４連敗を喫した。苦しい状況に高橋監督は「結果として勝てていない。踏ん張りどころと言えば踏ん張りどころ」と言葉をつないだ。

　継投策が裏目となった。六回１死一、三塁のピンチ。左の田中に対し、指揮官は先発の田口から山口にスイッチした。だが、結果は最悪。６球目の１４５キロ外角直球を踏み込まれ、左翼席へ痛恨の３ランを浴びた。

　相手の勢いに火をつけ、３番手の田原誠も打ち込まれた。鈴木に左翼席場外へ消える特大３ラン。試合をぶち壊した山口は「すみません…」と、つぶやくのがやっとだった。

　かつては抜群の安定感を誇っていた山口だが、今季の防御率は５・１９。それでも、ここ一番で頼らなければならないほど、チーム事情は苦しい。指揮官は田原誠の起用も含めた継投の判断について「その辺は、使っているこっちの責任」と選手をかばった。

　深刻な得点力不足に苦しむ打線はこの日もつながりを欠き、野村を攻略し切れず。貯金はついに１。指揮官は「そこ（点）に結びつかない。何かを考えないといけない」と悩ましげだった。