「巨人４－２広島」（５日、東京ドーム）

　少年少女に夢を与えた。巨人・菅野が無四球完投勝利で、リーグトップタイの４勝目。チームを再び首位に押し上げた。「こどもの日」にヒーローとなり、「小さい子どもたちが『菅野頑張れ』と声援を送ってくれたので、今日は頑張ることができました」と感謝した。

　気迫あふれる投球だった。広島・九里との息詰まる投手戦となり「根負けしないように、意地を持って投げました」。七回に天谷に２ランを浴び、４１イニングぶりの自責点。だが、気落ちすることなく、その後は得点を与えなかった。

　八回を終え、尾花投手コーチには迷わず続投を志願した。ここ２試合の登板では救援陣が失点し、勝ちが消滅。この日は序盤からテンポの良い投球を続け、余力を残して九回のマウンドへ向かった。

　打撃でも執念を見せた。「バットを持ってる以上、何か起きると思うので」と、六回に遊撃内野安打を放ち、先制の起点となった。練習日には室内練習場で打ち込み、内田打撃コーチにも助言を求めることもある。高橋監督は「投打でいいところを見せてくれている」と目を細めた。

　少年時代、「仮面ライダー」に憧れていたという菅野だが、今や巨人の絶対的エースとなった。「このまま１日も首位を譲らないように、突っ走っていきたい」。頼もしい言葉で本拠地を沸かせた。