オリ金子が完封星、2季ぶり無四球で
「オリックス5-0楽天」(30日、京セラドーム大阪)
最後はウィーラーを内角の直球で見逃し三振に仕留め、オリックス・金子はようやくマウンドで笑顔を見せた。
今季6試合目での初勝利は2014年9月10日・楽天戦(コボスタ)以来となる無四球完封で決めた。140キロ後半の直球で攻め、チェンジアップでタイミングをずらし、カットボールでバットの芯を外す。お手本のような投球を貫いた。
試合後は肩の荷が下りたようにホッとした表情になった。
「僕が投げた試合で今年初めて勝てたので何よりそれが良かった。自分の投球に集中しました。必死でした」
登板前の時点で0勝2敗、防御率5・85。エースがまさかの不振に陥っていた。
「ここまで勝てないのは経験してない。苦しかった。考えたくなかったし、弱気になっていた」
次々に飛び出す後ろ向きな言葉が苦悩を表していた。打たれてはいけないという強い思いが力みにつながる。コースを狙わなければの意識が球数を増やす。悪循環に陥っていた。そんなとき、ふと好調時の自分を想像してみた。そこにヒントがあった。
「上から目線というか、変化球で遊びながら打者を惑わせていたな」
光が見えた。打者を見ながらあらゆる変化球を駆使し、翻弄(ほんろう)するスタイルを思い出した。
「これまで迷惑を掛けた分、投げる試合は1試合も負けないつもりで取り組んでいきたい」
通算98勝目。今度はエースが浮上の原動力となる。