智弁学園39年ぶり8強!八回一気逆転
「選抜高校野球・2回戦、智弁学園4-1鹿児島実」(25日、甲子園球場)
智弁学園(奈良)は主将・岡沢智基捕手(3年)の同点適時打から一挙4点を奪って逆転し、39年ぶりに8強へ駒を進めた。
主将のひと振りがチームを勇気づけた。0-1の七回二死2塁。智弁学園の2番・岡沢が外角スライダーをしぶとく左前に運んだ。
「必死で食らい付いた。先っちょだったけど、ラッキーでした」
意地の同点二塁打に下級生が奮起した。続く3番・太田英毅内野手(2年)の二ゴロが悪送球を誘い、岡沢が勝ち越しのホームを踏む。そして4番・福元悠真外野手(2年)が、左翼席へ試合を決定づける2ラン。相手先発・谷村の下手投げに苦しんだ打線が、一気の4得点で39年ぶりの8強入りを決めた。
「けがで迷惑をかけてばかりだった。やっと恩返しできた」と岡沢。昨秋に右肩を故障した。復帰直後に膝を痛めた。リハビリを経てチームに合流したが、今度は右手中指にボールが当たり、緊急手術をして12針を縫った。復帰したのは今大会の開幕直前だった。
準々決勝は滋賀学園と近畿勢同士の対決だ。「日本一を目指してきた。しんどい試合になると思うけど、勝ちたい」。プロも注目する強肩強打の逸材。チームにとって、主将の完全復活は何より心強い。