これぞ至宝!ロッテ・デスパイネがV弾
「パCSファーストS・第3戦、日本ハム1-2ロッテ」(12日、札幌ドーム)
ここぞの場面で“キューバの至宝”が底力を見せた。同点の七回。ロッテ・デスパイネは有原の初球、高めに浮いた直球を見逃さなかった。「自信を持っているまっすぐで来ると思った」。豪快なスイングから放たれた打球が、中堅左のスタンド中段へと消えた。
エースの力投が、主砲の心に火をつけた。五回で球数が100球を超えながらも再三の危機を切り抜ける涌井の姿に「本当にすごかった。鉄の腕かと思ったよ。僕らにも力を与えてくれた」という。
前日の第2戦は、初戦で両足がけいれんしたため途中交代したクルーズを、指名打者で起用するためにスタメンを外れた。それでも「(代打も)しっかり準備していたよ」と集中力を途切れさせることはない。
母国・キューバの国内リーグなどにも参加し「2年半ぐらい野球をやり続けているから、正直、疲れているよ」と笑う。「最高の場面で、最高の一発が出た。このまま福岡でも勝ち続ける」と力強く宣言したデスパイネ。下克上に不可欠な男が、上昇気流に乗った。