小笠原、純平“直伝”カーブで6回9K

 「U-18W杯・1次ラウンドA組、日本10-1オーストラリア」(30日、舞洲)

 進化した日本のエースが、世界を相手に奪三振ショーを繰り広げた。阪神などが今秋ドラフト1位候補に挙げる最速152キロ左腕・小笠原慎之介投手(3年)が先発し、6回3安打1失点。最速145キロを計測した直球と、解禁したカーブを有効に使い、9三振を奪った。日本はB組唯一の開幕3連勝。31日のチェコ戦に勝てば、同組1位でのスーパーラウンド進出が決まる。

 日の丸を背負う重圧よりも、世界を相手に投げられる喜びの方が大きかった。待ちに待って登ったマウンドでも、結果を残して引き揚げたベンチ裏でも、小笠原はうれしそうに笑っていた。「特別ですよ。だって世界ですもん」。自信に満ちたエースの投球が、開幕3連勝をもたらした。

 初回先頭から直球で見逃し三振を奪うスタート。連打を浴びて相手のパワフルなスイングを実感すると、制球重視から「置きに行くと引っ張られる。腕を振らないとダメ」と、切り替えた。四回2死からの4者連続を含め、6回で9奪三振。六回に自らの失策とボークが絡み、今大会チーム22イニング目で初失点を喫したものの、中盤に突き放す試合の流れをつくった。

 世界仕様への進化が快投につながった。甲子園でも投げなかった110キロ前後のカーブを多投。“新兵器”で見逃し三振も奪い「緩急をつけられたのが一番良かった」と振り返った。高校日本代表に合流後、高橋純にボールの抜き方を教わり、モノにできなかった球種のコツを習得。今年5月の招待試合で見て気になっていた高橋純のカーブを、短期間で自身の武器に変えた。

 スターぞろいのチームでも、中心的な存在だ。宿舎の部屋には野手も含めて常に人が集まる。「僕が(座れずに)立っていることもありますよ」と苦笑い。そんな立ち位置も、仲間から一目置かれているからこそ。「いい雰囲気。負けないチームになり始めたかな」と手応えも感じている。

 チーム3戦目の初登板。「できれば昨日、投げたかった」と悔しそうに話しつつ、「次(の米国戦)は投げるつもりでやります」と意気込みを新たにした。今夏甲子園のV腕が、次に目指すのは世界の頂。「このままいい流れに乗って、世界一を獲りたい」と、自信たっぷりに宣言した。

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