清宮やっぱ怪物!初甲子園でも勝負強さ

 「全国高校野球・1回戦、早実6-0今治西」(8日、甲子園)

 早実(西東京)のスーパー1年生・清宮幸太郎内野手が、甲子園デビューで勝負強さを見せつけた。今治西(愛媛)との1回戦に「3番・一塁」で出場。七回の第4打席では、初安打初打点となる右前適時打を放ち、初戦突破に貢献。中盤までは好機に凡退しながら、勝負どころで超満員の4万7000観衆に、しっかり実力をアピール。全国の注目を一身に浴びる16歳が、スター街道の第一歩を踏み出した。

 そういう星の下に生まれてきた。3点リードの七回1死二塁、清宮に4度目の打席が回る。初球。125キロの真ん中高めの直球を迷わず振り抜くと、痛烈な打球が右前に抜けた。甲子園でのデビュー戦で、初安打が試合を動かす適時打でも、一塁ベース上では、当然といわんばかりの涼しげな顔だった。

 「1本ぐらい出なきゃダメなので。全然ダメですね。今日は20点ぐらい」。自嘲気味に話したのは3度の凡退があったからだ。初回は1死二塁で一飛。四回も2死二、三塁で中飛。八回も2死一、二塁で二ゴロ。「自分が打っていたら、もっと楽に勝てた」と、自分を責めた。

 それでも、要所はきっちり“持っていった”。力を発揮できるのはプラス思考のたまもの。元ヤンキースの松井秀喜氏でも星稜時代に震えたという聖地初打席だが、清宮は「ないですね」と緊張を否定した。和泉実監督(53)は「お父さんから受け継いだスポーツへの感覚。後ろ向きな言葉は全くない」と話し、「勝負強いものを持っている。期待通り」と目尻を下げた。

 中3の夏。調布シニアでの公式戦最終戦の決勝。腰の疲労骨折から半年の休養明けで、特大弾をコボスタ宮城の右中間席中段にブチ込み、優勝に花を添えた。「何でここで打つかねえ…と。やっぱり“持っているな”と思った」と同シニアの安羅岡一樹監督(52)。甲子園でも、節目は外さなかった。

 06年夏、早実-駒大苫小牧の決勝再試合をスタンドで観戦し、早実のユニホームで甲子園に来ることを誓った。夢を実現させ、帰ってきた聖地。「最高でしたね。気持ちよかった。格が違うぐらいすごくて、人の数とか、バックスクリーンの見慣れた感じが自分の心にしっくりきた」と笑顔がはじけた。

 初戦に4万7000人もの観衆を呼んだ。斎藤佑樹(日本ハム)らにあこがれた7歳の少年は成長した。「ここで躍動する自分たちを見て、また野球を始める子たちが出てくれたらいい」。次の相手は広島新庄。壮大な夢を乗せて、清宮のストーリーが幕を開けた。

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