花巻東・高橋 原との注目対決で10K完投
「全国高校野球・1回戦、花巻東4-2専大松戸」(7日、甲子園)
花巻東(岩手)の高橋樹也投手(3年)が専大松戸(千葉)の原嵩(しゅう)投手(3年)とのプロ注目の投手対決を制した。
10個目の三振を奪って試合を締めた高橋から、ようやく白い歯がこぼれた。味方のまずい守備にも表情一つ変えず、2桁三振を奪って2失点完投。二回には先制の中前2点打も放ち、ドラフト候補対決を制した。
3点リードの四回だった。1死からダブルエラーを含む3失策で1点を返された。さらに右翼手が前方への打球を追ったが、グラブに当てることなく後逸して三塁打。3点のリードは、たちまち1点差へ縮まった。
それでも「しっかり落ち着いて。表情を変えるとチームが動揺してしまう」。得点圏に走者を背負っても本塁へはかえさなかった。最終回も「勝ちを意識してしまった」と2死から連打で一、二塁のピンチを招いたが、変化球勝負で空振り三振。ロッテ・松本編成統括は「体はまだできてないけど投げるセンスがある」と評価する。
「思いがあるボールは打たれない」。90年夏、同じ花巻東のユニホームを着て2番・右翼で甲子園に出場した父・拓也さん(43)にそう教わってきた。
1球に込める気持ちの大切さ-。ミスした仲間に不安感を抱かせることなく、左腕は鉄の心でマウンドを守り抜いた。「甲子園は観客が多くて投げやすかったです」。プロ注目のみちのく左腕が“強さ”を見せつけた。