今治西 小刻み継投で3年ぶり夏切符

 「高校野球・愛媛大会決勝、今治西4-3小松」(27日、松山中央公園)

 今治西が小松を下して3年ぶり13度目の夏の甲子園出場を決めた。強打の小松打線に対して小刻みな継投で対抗。五回から4番手で登板した今春センバツ時のエース・杉内洸貴遊撃手(3年)が、2点を失いながらも気迫の投球で逃げ切り、春夏連続の聖地切符を勝ち取った。

 歓喜の輪の中で、背番号6の元エースが笑っていた。粘る小松打線を振り切り、つかみ取った3年ぶりの夏切符。リードを守り抜いた今治西・杉内は「打たれても仕方ないと思って開き直って投げた。思い切り腕を振れた」と声を弾ませた。

 チームは豊富な投手陣を擁し、継投策で勝ち上がってきた。この日も藤原睦-秋川-藤原睦と小刻みにつなぎ、五回1死から杉内がマウンドに上がった。横手投げの右腕は強打の小松打線を相手に真っ向勝負。七回に2点を失ったが、気迫のこもった投球で反撃を阻止し、夢達成の瞬間を迎えた。

 頭が真っ白になった今春センバツ。エースナンバーを背負った杉内は、あこがれのマウンドで突然ストライクが入らなくなる大乱調に陥った。2試合で12回1/3を投げ計16四死球、14失点。チームは初戦・桐蔭戦で1勝を挙げたものの、甲子園独特の重圧に押しつぶされてしまった。

 センバツ後、「もう投手は無理かも」と沈んでいた右腕を救ったのが大野康哉監督(43)だった。指揮官が勧めたのが上手から横手投げへの転向。実行すると「ストライクが入らないんじゃないかという不安が減った」と振り返る。背番号は「6」になったが、練習試合でも結果を残し、好感触で夏に乗り込んだ。

 杉内の復活に大野監督は「よく立ち直ってくれた」と目を細めた。2度目の大舞台に向け、「春の悔しさを晴らすために、ストライク先行の投球で向かっていきたい」と杉内。苦しみ抜いた元エースが自信を取り戻し、再び聖地のマウンドに立つ。

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