「楽天４－５日本ハム」(３日、東京ド)

　４勝目を手にしても、素直には喜べなかった。日本ハムのドラフト１位・有原（早大）はプロ初完投目前の九回、１死一塁で、代打・松井稼に甘く入ったカットボールを右翼席へ運ばれた。８回１／３は自己最長だが、４失点で完投も逃した。「プロはやっぱり甘くないと思いました。もっと練習しないといけない」と反省の弁を述べた。

　それでも昨年のドラフト会議で４球団が１位指名で競合した実力の片りんは見せた。最近２試合は序盤に失点して黒星。その反省を生かして初回から飛ばした。二回は無死満塁のピンチを招いたが、阿部を１５０キロ直球で空振り三振。三好をこの日最速タイの１５２キロの直球で三ゴロ併殺に打ち取った。終盤も球威は落ちず六、七、八回と３人ずつで抑えた。「長い回を投げられたのはプラスになる」と収穫も口にした。

　右肘の不安などでプロ初登板は５月１５日だった。しかし、そこから４勝を積み上げた。新人王の有力候補は「まだまだ。ひとつひとつ必死に頑張る。次は完投できるように頑張る」と決意を新たにした。