広島工・永岡、勝負強い6番がキーマン
「全国高校野球選手権・広島大会」(7月10日開幕)
広島工は「6番・右翼」の永岡陸外野手(3年)がキーマンだ。松岡法彦監督(46)が信頼を置く勝負強い男が主軸の後に座ることで、得点力は格段にアップした。切れ目のない打線で、3年ぶりの甲子園を目指す。
松岡監督がキーマンに上げたのは、意外な打順だった。「6番が大事。1番から打線がつながった場合はチャンスで打席が回ってくる。仮に初回が三者凡退で終わると、二回は4番から。最も打撃がいい選手が4番に入るから、走者を置いた場面で打つことになる」。切れ目のない打線をつくる上で、6番に勝負強い打者を配置するという。
指名されたのは永岡だ。逆方向への打撃に長(た)け、プレッシャーにも強い。新チーム結成後の昨秋はベンチメンバーだったがひと冬を越し、レギュラーの座をつかんだ。指揮官は「タイミングの取り方がいいし、勝負強い」と目を細めた。
走り込みが打力アップにつながった。冬は塁間往復ダッシュ30本。年明けから、その数は多いときで1日200本まで増えた。「下半身が鍛えられて安定感が出た」と永岡。どんな球種やコースにも対応できるスイングを身に付けた。
今年のメンバーは2年生が中心。永岡は数少ない3年生の1人だ。永岡は「ベンチに入れなかった選手の分まで頑張りたい。1番大事なところを任されているので絶対打ちたい」と意気込んだ。昨夏は優勝候補の一角に挙げられながら4回戦で涙をのんだ。3年ぶりの聖地まで全力で駆け抜ける。