高知商『球児先輩』に見せるゾ夏切符

 「高校野球・高知大会」(7月18日開幕)

 高知商(高知)が2006年以来の甲子園出場を狙う。同校は四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団した藤川球児投手(34)の母校で、正木陽監督(54)は同投手を指導した恩師でもある。名門復活を狙うナインは、故郷に帰ってきた偉大な先輩に9年ぶりの優勝を見てもらおうと意気込んでいる。

 あこがれの先輩が帰ってきた夏。新天地として故郷・高知を選んだその“男気”に「選手たちは大きな刺激を受けています」と、藤川の恩師でもある正木監督は目を細める。開幕に向けて仕上げの段階に入った高知商ナイン。練習グラウンドには気迫がみなぎっている。

 春14回、夏22回の甲子園出場を誇る名門も、近年は明徳義塾と高知の“私立2強”に押されて06年夏を最後に聖地から遠ざかる。9年ぶりの出場を目指す今年のチームは投手陣が充実。それぞれ特徴が異なる4人をそろえ、継投でしぶとく守り勝つ野球だ。

 春にエースナンバーを背負ったのは技巧派の左腕・清岡龍弥投手(3年)。低めへの制球力と緩急が持ち味で「球が高めに浮かないように意識している。夏の大会は球児さんが見てくれるかもしれない。頑張りたい」と闘志をみなぎらせた。

 福宮大樹投手(3年)は右サイドスローからキレのある直球、変化球を投げ込む。「リリーフは緊張感もあるけど楽しい」と話し、「球児さんのように強い気持ちを持って投げたい」と続けた。

 松下海太投手(3年)は直球に威力があり、高橋大投手(2年)は空振りを誘う鋭い変化球が武器。正木監督は「継投で接戦をものにしたい。今年の高知は突出したチームがないからチャンスはある」と話した。

 藤川は同校2年時の1997年に右翼手兼控え投手として夏の甲子園に出場し、1勝を挙げた。その年に生まれたのが今の3年生だ。「球児さんは寮で毎晩遅くまでシャドーピッチングをしていたと聞いています」と福宮が話すように、母校に残る“球児伝説”は今も部員たちの良き手本となっている。

 メジャーから帰国して再起を期す藤川は、すでに高知で2試合に登板。高知商ナインは県外遠征などで観戦できなかったが、その背中から勇気をもらっている。視線の先にあるのは、かつて先輩がタテジマを着て暴れた大舞台。主将の氏次巧捕手(3年)は「自分たちが甲子園に行く姿を球児さんに見てもらいたい」と力強く誓った。

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