「ＤｅＮＡ８-６阪神」（２４日、横浜）

　ＤｅＮＡ・中畑監督にいつもの笑顔はなかった。「後味の悪い勝ち方になってしまった。頭にいってしまうのは、プロの投手として失格。本当にすまないことをした」。九回、守護神のドラフト１位・山崎康（亜大）が初球に危険球退場。試合後、指揮官は川村投手コーチと和田監督のもとを訪れ、山崎康にも謝罪させた。

　消化不良感は残っても、試合内容は強かった。３点を先制された初回、リーグ３冠王の筒香が右太もも裏を痛めて交代するアクシデント。しかし、三回に筒香に代わった下園の適時二塁打や井手、嶺井の連続適時打などで４点を奪い逆転。脇役がキッチリと働いた。

　左足首ねんざからの１軍復帰戦で、いきなり３安打４出塁と活躍した梶谷は言う。「今までは自分がいない間に勝たれると、歯がゆかった。今回はチームに『とにかく勝ってくれ』と思った。初めてそういう気持ちになった」。チームに根付き始めた本物の一丸精神。主砲離脱の可能性もあるが、梶谷は「みんなで束になって埋められるように頑張りたい」と力を込めた。

　交流戦前の最終戦は、想定外の事態をねじ伏せての白星。首位の底力を示した。中畑監督は「まだ（危険球を）ひきずっている」と険しい表情を変えぬまま「交流戦頑張ろう！！」と、大声を張り上げて締めた。パ・リーグが相手になっても、主役を譲るつもりはない。