骨折れるまで振った秀才 静岡・内田

 「選抜高校野球・準々決勝、敦賀気比4-3静岡」(29日、甲子園)

 学ラン姿で右腕には包帯。チーム一の秀才・静岡の内田雄樹記録員(3年)が、ベンチからナインに声を送る。

 五回、昨夏4強の敦賀気比のエース平沼翔太投手(3年)から3点を奪った。「配球(の読み)は間違ってなかった」と、チームの頭脳は胸を張った。

 目の前が真っ暗になった。大会直前、3月15日の練習試合でシートノック中に右肘を疲労骨折。「状況判断に優れる」(栗林俊輔監督)と、記録員としてベンチに入り、データ分析に努めた。

 県内屈指の進学校だが、野球部員のほとんどはスポーツの学校裁量枠で入学する。そんな“野球エリート”の中で、一般入学組から唯一、組み合わせ抽選前に滑り込みでベンチ入りを勝ち取った。2月時点ではメンバー外だったが、「絶対にはい上がる」と、必死にバットを振り込んできだ努力家の大逆転劇-のはずだった。

 父・正尚さん(44)は、「骨が折れるほど頑張ったんでしょうね。褒めてやりました」と、アルプスからベンチの息子を見つめた。「中学でも成績は学年トップでした」。父は誇らしげに振り返る。

 骨は折れても、心はまったく折れていない。「ケガが治るまで、やれることをやる」と内田。夏には再び背番号を勝ち取り、今度こそユニホーム姿で聖地のグラウンドに立つ。

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